
カタストロフの残響
出版社: 春風社
- 終わったはずの暴力が響き続ける世界のなかで、傷を抱えながら社会を紡ぎ直そうとする人たちの、〈生〉と〈モラル〉を記す論集。
冷戦下のラテンアメリカを席巻した軍事独裁や内戦といった政治的カタストロフは、渦中を脱し、一応の収束を見たとされている。しかし制度的な移行期正義が進んだとされる「ポスト」紛争期の社会において、暴力は本当に過去のものとなったのか? なぜ人々の日常には、答えのない問いと傷が回帰し続け、新たな暴力が変奏され続けるのか? - 序章――暴力の残響を生きる(石田智恵)
第1章 廃墟における主権――内戦後ペルー・アンデスにおける死権力、死-統治性、人民の形象(イサイアス・ロハス=ペレス 〔近藤宏訳〕)
第2章 真実のカレイドスコープ――記憶、歴史、証言、ペルー真実和解委員会(細谷広美)
第3章 「赦さない」モラルと日常性 ――アルゼンチン強制失踪をめぐる子供たちの運動(石田智恵)
第4章 LGBTポリティクスにおけるアルゼンチン国家暴力の記憶(渡部奈々)
第5章 『私の体が真実』が語るもの――コロンビア内戦とジェンダー暴力の構造(柴田修子)
第6章 拷問から生還した女性たち――チリにおける政治的カタストロフ後の日常(内藤順子)
第7章 監獄はどこにあるのか――家庭の出来事、警察、近所でのコンフリクト(クララ・ハン〔近藤宏訳〕)
第8章 エルサルバドルにおける若者抹殺――「マノ・ドゥーラ」政策から例外措置体制へ(ジェネッテ・アギラール=ビジャマリオナ〔狐崎知己訳〕)
第9章 〈いま・ここ〉の暴力に抗する過去と未来――コロンビア国内避難先住民の都市生活と植樹実践(近藤宏)
第10章 政治的カタストロフの犠牲者によるあらたな人生設計――エルサルバドルにおける生活改善アプローチの経験(狐崎知己)
あとがき
執筆者紹介
索引
