
日本人の死生観 第一巻 霊性の思想史
出版社: 作品社
- 日本人の「いのち」は死後どこへ行くのか。
汎神論と習合思想の土壌に醸成された 独自の世界像を
『記紀』『万葉』から探る「たましい」の 精神史。
わがみちを
どこまでいけども
はてしなく
とほうにくれて
みちなきみちをゆく (東二)
いのちの行方
「いのち」は生と死の両極を含み持つ言葉である。たとえば、『万葉集』に見られる「いのち」にかかる枕詞は「たまきはる」であるが、それは、「魂・来・経る(膨る・張る)」、すなわち「魂が来訪して膨らみ経ていくもの」の意味で、魂の来訪と通過を核として成立している。とすれば、「いのち」の中には「たま(たましい)」をも含んでいるということになるだろう。そのような日本人の「いのち」観に基づきながら、「環境・生命・倫理」について神道の立場から考えてみたい。(本文より)