人文学を社会に開くには。:パブリックヒューマニティーズから考え・行動する

人文学を社会に開くには。:パブリックヒューマニティーズから考え・行動する

出版社: 文学通信
著者: 菊池 信彦
  • 人文学をどのように社会に開いていくべきか。本書は、このシンプルであり、難しい問いから出発します。その手がかりとなるのが、「パブリックヒューマニティーズ」(公共人文学)です。これは、人文学の研究成果を研究者のコミュニティ内だけでなく、広く社会に向けて発信し、市民と対話を重ねながら人文学の研究活動を実践的に展開する領域です。
    人文学の研究者が社会との関係をどのように築き、どのように人々と協力し、人文知をどのように伝えるのか、そして研究活動をどのように続けていくのか。
    本書は、読者がその問いに向き合い、実践できるための一冊です。各分野の研究者だけでなく、漫画家、図書館のキュレーター、企業の代表取締役などの知見も交え、理論と実践の両面から、日本におけるパブリックヒューマニティーズ/公共人文学の現状を明らかにします。
    【本書のポイント】
    ◉人文学を社会に開いていくための理論と実践を、26の視点から提示
    ◉各分野の研究者に加えて、漫画家、図書館のキュレーター、企業の代表取締役なども執筆
    ◉国内のみならず、海外における公共人文学の取り組みも紹介
    執筆:菅 豊/岡本充弘/松田 陽/関谷雄一/川上郁雄/盛山和夫/Thomas Cauvin/徳原拓哉/光平有希/石棒クラブ/三好清超/上原 惇/小林遼香/柳原伸洋/内山大介/五月女賢司/庄子大亮/福島幸宏/池尻良平/佐藤二葉/橋本雄太/青木真兵/矢野浩二朗/北村紗衣/山野弘樹/大川内直子/堀井 洋/大谷 哲/河西秀哉/藤野裕子/堀井美里
  • はじめに[菊池信彦]
    第1部 パブリックヒューマニティーズ/公共人文学の現在地
    01 パブリックフォークロアを支える理念
      —協働、共有されたオーソリティ、対話主義—[菅豊]
    02 パブリック(ス)とパブリックヒストリー[岡本充弘]
    03 パブリックアーケオロジーと考古学の公共性[松田 陽]
    04 公共人類学と協働の民族誌[関谷雄一]
    05 デジタルパブリックヒューマニティーズの実践とその課題[菊池信彦]
    06 ディスカッション
    第2部 現在地を多様な立場から考える
    07 公共社会学の挑戦—よりよい共同性を求めて—[盛山和夫]
    08 公共日本語教育学の理論と実践[川上郁雄]
    09 パブリックヒストリーにかかる議論[トマ・コヴァン(徳原拓哉訳)]
    第3部 人文学を社会で実践する
    #発信する
    10 「人文知コミュニケーション」を考える
       —研究機関発信にみるパブリックヒューマニティーズ—[光平有希]
    11 Philosophy for everyoneの理念とその実践[山野弘樹]
    12 石棒クラブによるコミュニケーションの実践
       [石棒クラブ(三好清超、上原惇、小林遼香)]
    #描く/書く
    13 漫画を通じた歴史実践[佐藤二葉]
    14 神話継承・受容の研究動向から感じること[庄子大亮]
    15 研究成果をもっとウィキペディアに!
       —学会、図書館、博物館との連携—[北村紗衣]
    #展示する
    16 東日本大震災を起点とした博物館活動と社会実践[内山大介]
    17 COVID-19に関する博物館展示を通じた人文学の発信[五月女 賢司]
    #場を作る
    18 山村で自宅を図書館として開くということ
       —人文系私設図書館ルチャ・リブロの実践から—[青木真兵]
    19 シチズンサイエンスとアジャイルソフトウェア開発
       —「みんなで翻刻」の取り組みを通じて—[橋本雄太]
    #体験する
    20 VR とメタバースを人文学教育に活用する—その方法と課題—[矢野浩二朗]
    21 ゲームを通じて歴史学者の思考を体験する[池尻良平]
    22 街歩きを通じた人文学の発信
       —「まいまい京都」での実践を通じて—[福島幸宏]
    #活かす
    23 文化人類学の「応用」としての起業と実践[大川内直子]
    24 AMANEの取り組み
       —人文系学術専門人材が活躍できる社会の実現を目指して—[堀井洋]
    #楽しむ
    25 歴史的な奥行きを考えるおもしろさ
       —過去と現在との対話としての記念碑遠足のススメ—[柳原伸洋]
    26 歴史フェス、はじめました—歴史を楽しみたい すべての人へ—
      [歴史フェス実行委員会(大谷哲、河西秀哉、菊池信彦、福島幸宏、藤野裕子、堀井美里)]
    あとがき[菊池信彦]
    執筆者プロフィール

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