文化遺産としての巡礼路

文化遺産としての巡礼路

出版社: 春風社
著者: 伊藤文彦
  • 世界遺産登録から20年を迎えた熊野参詣道。国内唯一の道の文化遺産である。近世、近代、現代と守られてきたこの「巡礼路」に、人びとはどのような価値を見出してきたのだろうか。本書では、性格の異なる始点と終点のあいだの移動において、個々の旅人の気持ちに働きかけ、連続的な非日常体験を促す空間的仕掛け=装置性に着目。熊野参詣道伊勢路の「価値」認識の歴史的変遷をたどり、世界的課題としての文化財の「活用」の方途を探る。
  • はじめに
    序 章 文化遺産の活用をどのように考えるか
    1 なぜ今、文化遺産の価値と活用を考えるのか
    2 文化遺産の価値と活用
    第Ⅰ章 文化遺産としての巡礼路
    1 研究の背景
    2 研究目的
    3 既往研究からみる本研究の位置づけ
    4 研究対象
    5 熊野参詣道伊勢路の歴史的背景
    6 熊野参詣道伊勢路の現況
    7 本書の構成と方法
    第Ⅱ章 近世の巡礼者からみた「熊野参詣道伊勢路」
    1 熊野参詣道伊勢路の空間
    2 熊野参詣道伊勢路沿道の礼拝施設と見所
    3 近世の巡礼者が熊野参詣道伊勢路に見出した価値
    第Ⅲ章 近世の地域住民からみた「熊野参詣道伊勢路」
    1 はじめに
    2 道標の定義
    3 確認された近世にさかのぼる道標の状況
    4 考古学的調査
    5 碑文調査
    6 近世の地域住民が「熊野参詣道伊勢路」に見出した価値
    第Ⅳ章 近代以降の地域住民からみた「熊野参詣道伊勢路」
    1 はじめに
    2 道中日記と道中案内からみた巡礼の変化
    3 石仏庵
    4 荒神堂
    5 清水寺
    6 近代以降の地域住民が「熊野参詣道伊勢路」に見出した価値
    第Ⅴ章 現代の研究者からみた「熊野参詣道伊勢路」
    1 はじめに
    2 熊野参詣道の位置付けと内容
    3 国史跡「熊野参詣道」として見出した価値
    4 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として見出した価値
    5 まとめ
    第Ⅵ章 現代の行政、地域住民、観光者からみた「熊野参詣道伊勢路」
    1 はじめに
    2 文化遺産保護行政が保護対象とする文化遺産「熊野参詣道伊勢路」の空間と諸要素
    3 行政・地域住民が行う管理運営
    4 現代の観光者による観光行動
    5 行政が設置したガイダンス施設による事業
    6 現代の観光者や地域住民、行政が「熊野参詣道伊勢路」に見出した価値
    終 章 巡礼路に対する価値認識の変遷
    1 巡礼路に対する価値の認識モデル
    2 巡礼路に対する価値認識の変遷
    3 文化遺産の保護に関する評価
    4 主観的価値に基づく活用の構築
    おわりに
    本書に関係する筆者の著作一覧
    図表一覧
    索引

人気の社会/思想/経済書籍

クレジット表示/商標について
サイトについて