中庸思想の源流 孔子とアリストテレス

中庸思想の源流 孔子とアリストテレス

出版社: 論創社
著者: 森田実、森田実
  • 九十年の人生を振り返ると、小学校低学年の頃、母から教えられた「過ぎたるは猶お及ばざるが如し」の生き方が、私の人生の「芯」になっていたことを改めて確認した。
     少年期から青年期にかけて左翼政治運動の渦中に身を置いたが、周囲はほとんどが極端を好む「過激」派的考えの持ち主ばかりだった。私は、彼らの跳ね上がりを抑える側に立っていたが、つねに孤立していた。政治運動における少数派の運命は、決まって悲惨である。あぶない経験もしたが、「過ぎたるは猶お及ばざるが如し」の中庸思想を貫いて生きてきたつもりである。
     左翼運動を卒業してジャーナリズムの世界に入ったが、ジャーナリズムの世界でも「中庸」派はつねに少数派だった。とくにマスコミにおいては「極端」派が多数派だった。しかし、私の心身には「中庸思想」がしみついていて、極端派とは同調できなかった。
     孔子とアリストテレスは、私の師である。『論語』と『ニコマコス倫理学』は最も大切な原典である。(著者あとがきより)
  • 序 「発刊に寄せて」/緑川浩司 
    まえがき 
    第Ⅰ部 孔子と『論語』
    第一章 孔子略伝 
    第二章 論語概観 
    第三章 『論語』の要約 
    学而篇 為政篇 八佾篇 里仁篇 公冶長篇 雍也篇 述而篇 泰伯篇 子罕篇 郷党篇 先進篇 顔淵篇 子路篇 憲問篇 衛霊公篇 季氏篇 陽貨篇 微子篇 子張篇 堯曰篇 
    第Ⅱ部 アリストテレスと『ニコマコス倫理学』
    第一章 アリストテレスにいたるギリシア哲学の系譜 
    神々の誕生 ギリシア哲学の誕生 人間中心思想の形成 アリストテレスの役割 
    第二章 アリストテレス略伝 
    アリストテレスの生涯 アリストテレスの著作 『ニコマコス倫理学』について 
    第三章 『ニコマコス倫理学』解説 
    第一巻―総論 
    第二巻―倫理的卓越性について 
    第三巻―いろいろな倫理的卓越性について 
    第四巻―寛厚、矜持、穏和、親愛、羞恥 
    第五巻―正義と不正義 
    第六巻―知性的卓越性 
    第七巻―抑制と無抑制について 
    第八巻―親愛について 
    第九巻―親愛の問題 
    第十巻―快楽および幸福について 
    あとがき 
    『中庸思想の源流』解説/千葉義夫 

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