
グローバル・ヒバクシャ
出版社: 名古屋大学出版会
- 広島・長崎だけではない、世界的な被曝の全体像へ──。彼らはなぜ不可視化されてきたのか、科学と政治の観点から問い直す。
- 広島・長崎だけではない、惑星的な被曝の全体像へ──。現在の科学的知見や幅広い聞き取り調査を踏まえて、核実験・原発事故・ウラン採掘の被害者をはじめ、これまで不可視化されてきた世界のヒバクシャの実態を追究。原爆の記憶や福島の経験と接続するとともに、核抑止論の前提を鋭く問い直す。
- 日本語版に寄せて —— メイド・イン・ジャパン
はじめに
序 章 放射線にさらされ、不可視化されるもの
ブラボー実験
グローバル・ヒバクシャ
犠牲者を定義する
冷戦下の核戦争
子孫を死に至らしめる
国家史を越えて
第Ⅰ部 科 学
第1章 爆心地
核兵器の作用
広島と長崎における疾病と死亡率
好 機
ABCC と寿命調査
寿命調査の内在的問題
寿命調査の外在的問題
むすびに
第2章 残存する粒子
向骨性核種
核実験場での疾病と死亡
残留する放射線の害
生態系に組み込まれる放射性核種
短期的・長期的な疾病予防
世界各地の放射性トレーサー
グローバル生態系に遍在する人為的起源の放射性降下物
むすびに
第Ⅱ部 人 々
第3章 共同体の崩壊
粒子に囲まれた子育て
分断される家族
受け継がれてきた知の鎖を断ち切る
数えられた人々、数えられなかった人々
むすびに
第4章 汚染の隠蔽
核災害後の人々と言説の管理
寿命調査の兵器化 —— 放射性降下物のさらなる不可視化
自然と汚染空間の浄化
森林火災と野生生物
共同体の経済的相互依存と文化的自己決定
不可視化されたものを見る目を養う
むすびに
第Ⅲ部 軍 事
第5章 汚染対象の選定
ビキニとエニウェトクの選定
カザフスタンとノバヤゼムリャ(ソ連の核実験)
ネバダ(米国の核実験)
オーストラリアとキリバス(英国の核実験)
アルジェリアと仏領ポリネシア(フランスの核実験)
ロプノール(中国の核実験)
むすびに
第6章 限定核戦争としての冷戦
グローバルにみた核実験
地球規模の熱核戦争としての第三次世界大戦
ソ連と米国による自国民に対する戦争としての冷戦
放射線兵器として核兵器を捉える
「長い平和」としての冷戦
限定核戦争
むすびに
第Ⅳ部 未 来
第7章 スローモーションの核戦争
核技術の適切な管理
核技術における管理不全
使用済み核燃料の適切な保管
無能さの現れとしての深地層への保管
先行き不明な境界線を引く
遠い将来とのコミュニケーション戦略
合理的な人間と非合理的な人間
時間的な暴力
むすびに
おわりに —— 目を見開くこと
謝 辞
訳者あとがき
注
索 引