教育と少年司法を結んだ先にあるもの

教育と少年司法を結んだ先にあるもの

出版社: 太郎次郎社エディタス
著者: 中川 明
  • 子どもの権利条約批准から30年。
    だが、教育基本法や少年法の改正を経て、
    「寛容なき厳罰主義」が推し進められてきた。
    回り道をしながら育つことが困難な時代に、
    司法は子どもの権利にどうかかわっていくのか。
    教育は多様性の受容と包摂をどう実現していくのか。
    多くの憲法訴訟を手がけてきた弁護士による、
    子どもの権利救済の現場からの考察。
  • Ⅰ◾️子どもの人権の課題と子どもの権利条約がめざす救済の地平
     
    1 子どもの権利に関する基本的な考え方
     
    2 子どもの権利条約の意義と構造
      ──条約実施における「権利基盤型アプローチ(RBA)」とは
     
    3 子どもの権利条約をどう受けとめるか
      ──憲法・教育基本法の読みなおし
     
    4 裁判例のなかに子どもの権利条約を読む
      ──永井憲一編著『子どもの人権と裁判』の書評
     
    5 政府報告書の「教育」の分野をどう受けとめるか
     
    6 子どもに対する暴力の絶対的で全面的な禁止の実現に向けて
      ──国際準則の歩みと一般的意見13号を中心として
     
    7 子どもの意見表明権と表現の自由に関する一考察
      ──いわゆる「ゲルニカ訴訟」における「意見書」から
     
     
    Ⅱ◾️子どもの権利救済の具体相と司法の課題
     
    1 司法と子どもの権利・人権研究の課題
     
    2 障害のある子の死亡による損害をめぐる平等と公正について
      ──東京高裁1994.11.29判決を手がかりにして
     
    3 法令と条約にいう「能力に応じ」とは
      ──原理的考察の積み重ねによる試論
     
    4 北の国での山崎恵さんと学生たちとの出会い
     
     
    Ⅲ◾️少年司法の変容とおとな・社会との相剋
     
    1 少年法「改正」前夜の一断面をめぐって
      ──日弁連定期総会における「緊急報告」から
     
    2 子どもの権利の歴史と“今”──子どもたちの未来のために
      ──日弁連・第24回「全国付添人経験交流集会」記念講演
     
    〔補遺〕少年司法と教育法との交錯と連携
      ──第5回「全国付添人経験交流集会」の記録から
     
    3 少年事件報道のあり方をめぐって
      ──ある新聞社との意見交換会における「発題草稿」を起点に
    4 親が受容できない子どもとの共存の途
      ──「親の子殺し」について考える
     
    5 加害者の心を癒すということ
     
     
    Ⅳ◾️子どもたちの多様性の受容と包摂をめざして
     
    1 「子どもという存在」の不可思議さ
     
    2 「無国籍児」の救済と子どもの国籍取得の権利
     
    〔コラム〕リースさん夫妻とアンデレ君に出会って
     
    3 外国にルーツをもつ子どもの日本社会への受け入れの緊要性と課題
     
    〔寄稿〕オーストラリアにおける「多文化共生主義政策」がもたらした「言語に関する国家政策」と州における実践(奥野圭子)
     
    4 医療的ケアを要する子どもの就学実現へのサポート
      ──アメリカ合衆国における「医療的ケア児」に関する裁判例の変遷から学ぶ
     
    5 学校における「子どもの死」(「指導死」と「事故死」)について
     
    6 「寛容」についての問いなおし
      ──本書を閉じるまえに

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