
弁護士と社会運動
出版社: 信山社出版
- 弁護士論と社会運動論の双方の視点から、弁護士活動の新たな認識方法論を提示する。新しい視座からの貴重な考察。
- 弁護士論と社会運動論の双方の視点から、弁護士活動の新たな認識方法論を提示する。新しい視座からの貴重な考察。
- ◆弁護士活動の新たな認識方法論◆
弁護士論と社会運動論の双方の視点から、弁護士活動の新たな認識方法論を提示。弁護士の活動という社会運動にとってのクリティカルな資源の性格の変化が、法と社会の30年にわたる大きな変動とどう関連しているか、新しい視座からの貴重な考察。 - 『弁護士と社会運動―社会改革的公益活動の展開と変容』
大塚 浩(奈良女子大学教授) 著
【目 次】
・はしがき
🔷はじめに
Ⅰ 本研究の視点・背景・目的
Ⅱ 構 成
🔶第1章 法運動分析および弁護士関与分析の基本枠組と1990年代の法運動の展開―二つの憲法訴訟を素材として
Ⅰ 法運動と現代型訴訟
Ⅱ 社会運動と法運動
Ⅲ 事例研究の意義
Ⅳ 「君が代」訴訟と衆院定数訴訟
1 「君が代」訴訟
2 衆院定数訴訟
3 弁護士の介入の諸形態
4 当事者のニーズ決定モデル
Ⅴ 法運動をめぐる諸要因
1 弁護士の組織
2 当事者側の組織
3 報 酬
4 属 性
5 法制度上の要因
6 弁護士と当事者の役割
Ⅵ 制度改革と自己変革
1 法運動の目標設定
2 資源の条件依存性
3 法運動への複眼的アプローチ
🔶第2章 法運動の間接効果への理論的視点
Ⅰ 法運動の社会的効果の射程
Ⅱ 法動員理論の分析枠組
1 マッキャンの法動員研究
2 法運動研究への資源動員アプローチの導入
🔶第3章 依頼者なき法の動員―「株主オンブズマン」の運動
Ⅰ 本章の視点
Ⅱ 「依頼者なき法動員」を研究する意義
Ⅲ 「株主オンブズマン」運動の展開と法
1 「株主オンブズマン」運動の経緯
2 「株主オンブズマン」運動の戦略と法の機能
Ⅳ 「株主オンブズマン」運動の組織と環境
1 運動組織の形成
2 組織構造
3 「株主オンブズマン」運動における組織と環境の関係
Ⅴ 本章の結論
🔶第4章 代理「外」活動の展開と課題
Ⅰ 本章の問題設定
Ⅱ 社会運動の変容
Ⅲ 新しい社会変革運動と弁護士関与―豊島運動
Ⅳ 弁護士の代理「外」的関与と弁護士倫理
Ⅴ 代理「外」関与と弁護士の業務基盤
🔶第5章 訴訟動員と政策形成/変容効果―法運動における訴訟再定位
Ⅰ 法運動の変化と政策の形成/変容
Ⅱ 「権利の政治学」研究の系譜
Ⅲ 法動員の間接効果
1 法運動の事例
2 間接効果の分析
Ⅳ 訴訟の再定位―継続的当事者化と専門組織化
🔶第6章 コーズ・ローヤリングにおける弁護士-依頼者関係の実態と弁護士倫理
Ⅰ 弁護士-依頼者関係のジレンマ
Ⅱ 「公共性」をめぐる諸問題
1 「当事者性」—「公共性」の葛藤
2 「公共性」問題のアポリア
Ⅲ コーズ・ローヤリングと「公共性」へのコミットメント
1 主流の弁護士倫理との関係
2 基盤としてのリベラル・デモクラシー
3 コーズ・ローヤリングと日本の弁護士活動
Ⅳ 「クレ-サラ」被害者救済運動
1 「公共性」の範疇
2 「法による」コーズ・ローヤリング
3 社会運動への傾斜―「法を越えた」コーズ・ローヤリング
4 コーズと「政治-法」
5 プロフェッショナリズムとの関連
Ⅴ コーズ・ローヤリングと弁護士-依頼者関係
1 コーズ・ローヤリングのエンパワーメント機能
2 問題点
Ⅵ コーズ・ローヤリングはどのように行われるべきなのか
🔶第7章 「公益活動」とは何か―「公益活動義務規程」制定の背景と影響
Ⅰ 「公益活動義務規程」とコーズ・ローヤー
Ⅱ 「公益活動義務規程」の背景と概要
Ⅲ 東京弁護士会および第二東京弁護士会の「義務規程」
Ⅳ 「公益活動義務規程」の効果
Ⅴ 委員会活動の効果
Ⅵ 「公益活動」の定義と義務規程の影響
Ⅶ コーズ・ローヤリングと「公共」
🔶第8章 最高裁における個別意見制と政策形成型訴訟―行政事件の出身母体別反対意見数分布の分析
Ⅰ 政策形成型訴訟の活発化と裁判官
1 政策形成型訴訟の間接効果
2 政治的機会構造の変化
3 裁判官の判断枠組
Ⅱ 個別意見分析の視点
Ⅲ 対象とする事件
Ⅳ 反対意見のデータ分析
1 データの概要
2 大法廷と小法廷の相異
3 反対意見を書くのは誰か
4 どのような場合に反対意見を書くのか
5 小 括
Ⅴ なぜ反対意見を書くのが難しいのか
1 法解釈の問題か,組織的要因の作用か
2 キャリア裁判官の判断枠組と多数意見の形成
3 事件処理の圧力
Ⅵ なぜ少数意見は活性化しないか
1 初期多数派主導による意思決定の問題
2 下位集団とのかかわり
3 初期共有知識と認知的中心
Ⅶ 少数意見活性化へ向けて
🔶第9章 弁護士の環境変化と組織的公益活動
Ⅰ はじめに
Ⅱ 弁護士をとりまく環境変化
Ⅲ 公益活動の基本動向と組織的弁護活動への展開
Ⅳ 都市型公設事務所における刑事弁護
Ⅴ コーズ・ローヤリングの新展開
1 行政・司法と連携するコーズ・ローヤリング―犯罪被害者・消費者・成年後見
2 政策形成を志向するコーズ・ローヤリング―同性婚訴訟
Ⅵ 二つの焦点―「脱イデオロギー化」と「事業化」
1 脱イデオロギー化された法運動
2 「事業化」される法運動
3 「脱イデオロギー」と「事業化」の相補的関係
🔶第10章 結論―コーズ・ローヤリングの変化と展望
Ⅰ 総 括
Ⅱ 間接効果と法運動の洗練化
Ⅲ 弁護士-依頼者関係と法の専門組織への機能分化
Ⅳ コーズ・ローヤリングとプロフェッショナリズム―遠心力と統合
Ⅴ コーズ・ローヤリングと公益活動は弱体化するか
🔷結びに
引用文献
初出一覧
事項・人名索引
