
循環型人権システム
出版社: 信山社出版
- 21世紀型の人権保障システムとは―「多元的・非階層的・循環的人権保障システム」(循環型人権システム)の構想
- 21世紀型の人権保障システムとは―「多元的・非階層的・循環的人権保障システム」(循環型人権システム)の構想
- ◆21世紀型の人権保障システムとは―「多元的・非階層的・循環的人権保障システム」(循環型人権システム)の構想◆
比較実証研究を基礎として、憲法が想定する人権実施システム(統治機構)と、人権条約が想定する人権実施システム(条約機構)の接合によって、人権をより実効的に保障できるシステムの構築を試みる。 - 『循環型人権システム-憲法・国際人権法・人権法』
江島晶子(明治大学法学部教授) 著
【目 次】
・はしがき
■イントロダクション
◇第Ⅰ部 ヨーロッパにおける多層的人権保障システム◇
◆第1章 ヨーロッパにおける多層的統治構造の動態
Ⅰ はじめに
Ⅱ ヨーロッパ・レベルの統治構造
1 人権の国際的保障とヨーロッパ人権条約
2 ヨーロッパ評議会の統治構造
(1) ヨーロッパ評議会の特性
(2) ヨーロッパ評議会の機構(概要)
(3) EUとの関係
3 ヨーロッパ人権裁判所の現在
(1) 申立件数の急増とそれに対する対応
(2) 判決の執行
(3) ヨーロッパ人権裁判所判例の特徴
(4) ヨーロッパ人権裁判所の機構改革― ヨーロッパの「憲法裁判所」?
Ⅲ ヨーロッパ人権裁判所の判例法形成が各締約国に及ぼす影響
1 分析視角― 多層的人権保障システム(モデル)の提示
2 ヨーロッパ人権裁判所と締約国(政治部門と法部門)
(1) 受 容
(2) 新たな規範の可能性
(3) 衝突・無視
(4) 「対話」
(5) 尊 重
3 多層的人権保障システムの評価
Ⅳ おわりに―グローバル・モデルとしての多層的人権保障システムの可能性
◆第2章 グローバル・モデルとしての比例原則
Ⅰ はじめに
Ⅱ 比較憲法の国際的隆盛
Ⅲ 最高裁判所と審査基準論―アメリカ型審査基準とドイツ型比例原則
Ⅳ ヨーロッパ人権裁判所における比例原則
1 人権条約における比例原則の淵源―比例原則と評価の余地
2 人権条約の規定形式と比例原則
3 人権条約の適合性審査における比例原則
(1) 比例原則の萌芽と発展
(2) 人権条約8-11条(qualified rights)における審査方法と比例原則
Ⅴ イギリス1998年人権法と比例原則
1 適合的解釈・不適合宣言とヨーロッパ人権裁判所判例法
2 比例原則の採用と意義
(1) Wednesbury原則から比例原則へ?
(2) 比例原則とDaly判決
(3) 比例原則に対する評価
(4) 人権法をめぐる状況の変化
Ⅵ おわりに
◆第3章 イギリス憲法の「現代化」とヨーロッパ人権条約の交錯
Ⅰ はじめに
Ⅱ ヨーロッパ人権条約における発展―ヨーロッパ人権条約の「憲法化」?
Ⅲ 「ヨーロッパ人権条約+1998年人権法」がイギリス憲法に及ぼした影響
1 1998年人権法の特徴― ヨーロッパ人権条約の国内法上の地位
2 人権の保障形式(統治機構)の「現代化」
3 「ヨーロッパ人権条約+1998年人権法」の影響の評価
Ⅳ 「ヨーロッパ人権条約+1998年人権法」による摩擦と対話
1 政府(内閣)
2 議 会
3 裁判所
Ⅴ おわりに
◆第4章 多層的人権保障システムのレジリエンス―「自国第一主義」台頭の中で
Ⅰ はじめに
Ⅱ 多層的人権保障システム
1 ポイント
2 意義と問題点
Ⅲ ヨーロッパ人権条約のレジリエンス
Ⅳ ヨーロッパ人権裁判所とイギリス
1 対 話
2 無視―受刑者の選挙権
3 衝突―テロリズム
Ⅴ 1998年人権法のレジリエンス
Ⅵ おわりに
◆第5章 人権実現における議会の新たな役割―イギリス人権合同委員会を手がかりに
Ⅰ はじめに―人権実現における議会のポテンシャル
Ⅱ 人権合同委員会設立の背景―1998年人権法の誕生
Ⅲ 人権合同委員会の権限
1 概 要
2 法案の検討
3 裁判所の判決に対する対応
4 人権条約のモニタリング
5 テーマ別調査
6 法律顧問
Ⅳ 人権合同委員会と他の機関の関係
Ⅴ 人権合同委員会とヨーロッパ評議会
Ⅵ 人権合同委員会の意義と課題
Ⅶ おわりに
◇第Ⅱ部 日本における多層的人権保障システム◇
◆第6章 裁判所による適用から統治機構による実現―多層的人権保障システムの視点から
Ⅰ はじめに
Ⅱ 問題点
Ⅲ 多層的人権保障システムからの検証
1 差別的言動解消法
(1) 差別的言動解消法制定直後
(a) 地方自治体
(b) 裁判所
(c) 行政機関
(2) 差別的言動解消法制定前
(a) 地方自治体
(b) 裁判所
(c) 行政機関
2 規制消極論
Ⅳ おわりに
◆第7章 グローバル化社会と「国際人権」
Ⅰ はじめに― 「国際人権」とは
1 国際人権と国内人権─国内実施の重要性
2 人権救済手段のグローバル化
Ⅱ 日本における国際人権条約の国内実施
Ⅲ 2013年最高裁違憲決定における外国法と国際人権法
Ⅳ トランスナショナル人権法源論の検討
Ⅴ 多層的人権保障システムの実践例―問題の持続的循環
Ⅵ おわりに
◆第8章 「グローバル人権法」の可能性―2019年1月23日最高裁決定補足意見を契機として
Ⅰ はじめに
Ⅱ 最高裁判所における国際人権法
1 沈黙期
2 2008年判決
3 2013年決定
4 2015年判決
Ⅲ 多層的人権保障システムの利点―2019年補足意見を契機として
Ⅳ おわりに
◆第9章 立憲主義と国際社会―「立憲」におけるインタラクションとnew concept/conceptionsの生成
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国内立憲主義と国際立憲主義の接合点
1 国際人権法
2 国際社会と日本国憲法制定
3 国際立憲主義
Ⅲ 国際立憲主義/国際法の「立憲化」
Ⅳ 日本における立憲主義
1 司法審査の変遷
2 問題の所在―統治機構全体の問題としてとらえる
Ⅴ 憲法学からの応答
Ⅵ おわりに
◇第Ⅲ部 多元的・非階層的・循環的人権保障システム◇
◆第10章 憲法と「国際人権」―国際システムと国内システムの共生
Ⅰ はじめに
Ⅱ 「国際人権」とは
Ⅲ 国際法学における「国際人権」
Ⅳ 憲法学における「国際人権」
Ⅴ 「国際人権」と「国内人権」―内容および実現手段(法システム)
1 人権の内容
2 実現手段(法システム)
Ⅵ おわりに
◆第11章 憲法を「人権法」にする触媒としての国際人権法―憲法解釈を行う国家機関の設計・作法における「国際標準化」
Ⅰ はじめに―新たな視点を求めて
Ⅱ 「憲法解釈基準の国際標準化」に潜む難所
1 裁判指向の弊害
2 「国際標準」(国際基準)と国内基準の比較(不能性)
Ⅲ 統治機構の人権保障的再構築
Ⅳ 国際基準創出プロセスとの接合
1 接合の局面
2 接合するメリット
Ⅴ おわりに
◆第12章 権利の多元的・多層的実現プロセス
Ⅰ はじめに
Ⅱ 背 景
1 日本公法学会における国際人権法・国際人権条約
2 憲法学と国際人権条約
(1) 通説・判例・実務
(2) 世界的動向
(3) 日本の憲法学の応答
Ⅲ 憲法と国際人権条約の関係
1 憲法が保障する権利と国際人権条約が保障する権利
2 国際人権条約実施における国内実施機関
(1) 政府(執行府)
(2) 立法府
(3) 司法府
(4) 地方自治体
(5) その他のアクター
(6) 統治機構における新たな改革
3 国際人権条約実施における国際実施機関
(1) 国連レベル
(2) 地域レベル
(3) 検 討
Ⅳ 権利の多元的・多層的実現プロセス
1 モデル
2 意義と課題
3 検証―Comparative and Transnational Moments
Ⅴ おわりに
◆第13章 法多元主義と国際人権法―多元的・非階層的・循環的な人権保障の可能性
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国際人権法の発祥と現状
Ⅲ 国際的実施と国内的実施の関係
1 国 連
2 地 域
Ⅳ おわりに
◆第14章 多元的・非階層的・循環的人権保障システム―人権法に向けて
Ⅰ イントロダクション―人を中心に据える
Ⅱ 憲法と国際人権法
1 憲法と人権
2 憲法と国際法、憲法と条約
3 憲法と国際人権法・国際人権条約
Ⅲ グローバル化による変容―国際的システムと国内的システムの接合
1 人権保障システムのグローバル化
2 アクチュアルな人権問題に対するシステマティックな対応
3 最高裁における新たな動向とその先へ―比較憲法と国際人権法
◆第15章 ビジネスと人権―国家・国際機関・非国家主体による循環型システム
Ⅰ はじめに―人間の経済活動
Ⅱ 憲法・国際人権法と人権―国家・国際機関の役割
Ⅲ 企業・市民社会と人権―非国家主体の役割
1 ビジネスと人権
2 ビジネスと人権に関する指導原則と国別行動計画
3 SDGsと人権
Ⅳ おわりに
事項・人名索引
判例索引