日本の「ゲイ」とエイズ・新装版

日本の「ゲイ」とエイズ・新装版

出版社: 青弓社
著者: 新ヶ江 章友
  • 1980年代以降の日本で、男性同性愛者たちはエイズと結び付けた差別と偏見にさらされ、行政からも排除された。対抗して独自のコミュニティを形成したが、エイズ政策を通じて国家行政に取り込まれ、ときにはみずから行政に組み込まれていき、ゲイとしての社会的な地位を築いていった。
    エイズ・パニックと称された初期の社会的な動向、感染不安を抱える身体、国内と海外の男性同性愛者、エイズ研究者によるリスク把握と男性同性愛者によるリスク認知などの分析をとおして、「感染予防の責任ある主体としてのゲイ」の形成を析出する。
    当事者たちに詳細な聞き書きを重ね、資料を渉猟してその歴史的な過程をたどり、ゲイの生と性の葛藤と経験を考究する労作の新装版。
    【目次】
    序 章 「ゲイ」と国家の関係を問う
    第1章 HIV/AIDS研究と人文・社会科学
     1 文化人類学のなかのHIV/AIDS
     2 クィア人類学とHIV/AIDS
     3 新たな研究の展開に向けて
     
    第2章 日本におけるHIV/AIDSの言説と男性同性愛者
     1 奇病としての「AIDS」
     2 AIDSの実態把握に関する研究班
     3 日本のエイズ第一号患者
     4 エイズ・パニックと女性の表象
     
    第3章 エイズ政策と日本人男性同性愛者の主体化
     1 HIV感染不安の身体
     2 新たな主体としての男性同性愛者
     3 日本と外国の男性同性愛者
     4 「ゲイ」による「ゲイ」のための研究
     
    第4章 HIV感染予防をおこなう責任ある主体の生成
     1 歴史に刻まれた疫学調査
     2 オーストラリアと「ゲイ・コミュニティ」
     3 MSMを統治する
     4 「ゲイ」という主体と国家の承認
     5 日本における「ゲイ・コミュニティの誕生」
     
    第5章 HIV感染リスクをめぐる認知と主体の形成
     1 研究者によるリスク認知
     2 MSMからゲイ男性へ
     3 男性同性愛者によるリスク認知
     4 HIV/AIDSとともに生きる希望
     
    終 章 自己変容の人類学に向けて
    HIV/AIDSに関する年表
    インタビュー対象者の概要
    あとがき

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