金子文子 反逆の思想

金子文子 反逆の思想

出版社: 皓星社
著者:
  • ⾦⼦⽂⼦(1903- 1926)の思想を、著書『何が私をこうさせたか』をはじめとする記録からたどる、画期的論考。
  • 没後100年を迎える⾦⼦⽂⼦(1903- 1926)の思想を、著書『何が私をこうさせたか』をはじめとする記録からたどる、画期的論考。
  • 子文子没後100年。新たな文子像がたちあがる。
    ⾦⼦⽂⼦(1903- 1926)の思想を、著書『何が私をこうさせたか』をはじめとする記録からたどる、画期的な論考です。⽂⼦は、裁判の中で次のように語っています。
    「総ての⼈間は完全に平等であり、従つて総ての⼈間は⼈間であると云ふ、只⼀つの資格に依つて⼈間としての⽣活の権利を完全に且つ平等に享受すべき筈のものであると信じております。 」 (『朴烈、⾦⼦⽂⼦裁判記録』より)

    人間はみな平等、というのは今では当たり前の考え方かもしれませんが、⽂⼦がこのような主張をしたのは⼤正時代、天皇制国家の時代でした。天皇もまた「総ての人間」であり「完全に平等」という、当時の日本国家を否定するような文子の思想は、⽂⼦の中にどのように芽⽣え、醸成されていったのでしょうか。
    具体的には、第1部では⽂学研究的なアプローチで⾦⼦⽂⼦の表現を読み解くという今までにない試みから、第2部は⽂⼦が受容したマックス・シュティルナーや⽯川啄⽊などの思想から、⽂⼦が⾃死を選ぶまでの末期の思想に至るまでを検証します。「⼈間の絶対平等」を掲げてひたすらに⽣き、闘い抜いた⼈間・⾦⼦⽂⼦の新たな姿を、描き出します。
  • はじめに
    1 「人間の絶対平等」を掲げた金子文子
    2 獄中手記『何が私をこうさせたか』
    3 本著の構成
    序章
    1 検閲と編集者の関与
    2 文学として読む『何が私をこうさせたか』
    3 「私」の探求

    Ⅰ 『何が私をこうさせたか』を読む
    第一章 父と母
    1 迷信家・運命論者の父
    2 依頼心が強く性に引きずられる母
    第二章 山村の生活
    1 極貧の山村での生活
    2 貧しさの根源にある物々交換
    3 近代文学が描いた都会と田舎
    4 経済的視点の醸成
    5 教育現場の物々交換
    6 山村の自然の新しい価値の発見
    第三章 朝鮮での日々
    1 京釜線の町・芙江
    2 岩下家──高利貸しと阿片── 
    3 笞刑
    4 金銭と裏表の論理、そして、盗みの告白
    5 子供の尊重と学校教育批判
    6 朝鮮の人々と自然
    7 無籍者
    8 書かなかった/抹消された三・一運動
    第四章 上京まで
    1 わけのわからぬ力
    2 語られなかった男
    3 上京──運命からの脱却と虚栄心の行方──
    第五章 東京生活
    1 苦学生
    2 キリスト教への接近と幻滅
    3 「虚栄心」の時代
    Ⅱ 『何が私をこうさせたか』その後
    第六章 『獄窓に想ふ』と『啄木選集』
    1『獄窓に想ふ』と『啄木選集』
    2 金子文子の石川啄木受容
    3『獄窓に想ふ』「自序」五首
    4 反強権の思想
    5 三行書き
    6「我を愛する歌」と「己を嘲るの歌」、そして意識の運動性
    7 歌語と発想の類似
    8 生活のリアリズムと刹那の感情
    第七章 マックス・シュティルナーの「唯一者」の思想
    1 シュティルナー『唯一者とその所有』と日本の翻訳状況
    2 金子文子の「自己」の発見
    3 一九二五年一一月の公判準備調書と提出書面
    4 政治運動から哲学運動へ
    5 自己犠牲
    第八章 アルツィバーシェフ「復讐」の思想
    1 日本におけるアルツィバーシェフ受容
    2 『労働者 セヰリオフ』
    3 宮島資夫とアルツィバーシェフ
    4 金子文子の「復讐」
    5 アルツィバーシェフの『作者の感想』
    第九章 末期の思想
    1 爆弾入手計画
    2 文子の証言の背後にあるもの
    3 獄中の虚栄心とその脱却
    4 末期の思想──死刑宣告まで──
    5 末期の思想──獄中死まで──
    第十章 人間の絶対平等とジェンダーフリー
    1 人間の絶対平等を求めて
    2 ジェンダーフリーを求めて
    初出一覧
    金子文子年譜
    文献・参考文献
    あとがき

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