神・自然・人間の時間
出版社: 慶應義塾大学出版会
- 「時間」とは何か
「とき」を理解し、己のものにしようと見つめつづけた人間たちの思想的、文化的営為を探る。
環地中海世界を中心に、古代から近代への大きな時間幅の中で、人々が、「神の時間」、「自然の時間」、「人間の時間」をそれぞれどのように把握していたのかを問い直す論文集。 - はじめに 徳永聡子
Ⅰ 古代ギリシア・ローマ
クロノスとカイロス
――古代ギリシアの時間概念とそのキリスト教的変容 土橋茂樹
キケローと暦、日付
――書簡集を中心として 小池和子
Ⅱ 中世ヨーロッパ
ときを記録する
――中世ヨーロッパの時間意識と過去―現在―未来 岩波敦子
聖霊の時間形式を求めて
――中世における予型論について 山内志朗
煉獄の時間とSir Orfeo の時間 松田隆美
西欧中世における説教の「心中の暦」
――説教者は年間を通じて説教内容をどのように決定したか 赤江雄一
教会暦とキャクストン版『黄金伝説』 徳永聡子
Ⅲ イスラームとオリエント
イスラーム美術と星モチーフ
――セルジューク朝の金工品に見られる七惑星と黄道十二宮 鎌田由美子
デカンの初期ウルドゥー語詩人ヌスラティーにおける時間 北田 信
おわりに 徳永聡子