
子どもの理屈からはじめる特別支援教育
出版社: 北大路書房
- 障害特性の理解だけでなく,子どもたちの理屈(その子なりの理由)から考える、これまでになかった特別支援教育のテキスト。
- 多くの特別支援教育のテキストは,障害特性の列挙に終始していなかっただろうか。本書では,障害特性の理解だけではなく,そうせざるを得なかった理屈(その子なりの理由)から教育の在り方を考える。コアカリ「特別の支援を必要とする幼児,児童及び生徒に対する理解」に対応した,子どもの本質的な理解に迫るテキスト。
- はじめに
序章 「子どもの理屈からはじめる」とは?
第1節 障害とは
1 障害の種類
2 障害の構造
3 障害特性
4 特別支援教育における教育課程
5 障害のある子どもを支える特別支援教育の制度
第2節 子どもの理屈を捉える
1 「カンニング」をする小学校1年生の子ども
2 「理屈」という用語を採用する理由
3 「子どもの声」との違い
4 障害の知識を学ぶことと,子どもの理屈を想像することとの関係
第1章 ASDのある子どもの理屈
第1節 ASDの障害説明
1 ASDの定義
2 基礎知識
3 障害特性
第2節 子どもの理屈から考える
1 物はとても安心できる友達
2 理解してもらいにくいけれど,お母さん大好き
3 人の顔を区別するのが難しい
4 何を言われているのか,わからないことがある
5 楽しい,コミュニケーションをとりたいという気持ちから出る言葉もある
6 気持ちを落ち着かせたい
7 突然変更されると衝撃なんだよ
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 理屈を大事にしたかかわり
2 ASDのある子どもを対象とした支援技法と留意点
3 保護者支援
子どもの愛おしいところを語る1 自閉症のある子ども—まーくんの素敵なところ
第2章 ADHDのある子どもの理屈
第1節 ADHDの障害説明
1 ADHDの定義と診断
2 基礎知識
3 障害特性
第2節 子どもの理屈から考える
1 ぼく,その答えわかった!
2 また遅れてしまった,どうしよう……
3 どうせ,やってもできない……
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 行動の背景を障害特性から理解する
2 子どもの意欲を大切にする
3 子どもと一緒に考える
Topic1 通級による指導
Topic2 自立活動
第3章 学習障害のある子どもの理屈
第1節 学習障害の説明
1 学習障害の定義
2 学習障害の基礎知識
3 学習障害の障害特性
第2節 子どもの理屈から考える
1 一生懸命やっているのに,誰も認めてくれない……
2 できないんじゃなくて,やらないだけ!?
3 中学校の授業にちゃんとついていけるかな……
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 代替手段を使いこなして通常の学級での学習に集中する
2 通級による指導で苦手分野に取り組む
3 ハイステイクスな試験での配慮を要請する
子どもの愛おしいところを語る2 発達障害のある子ども—連日教室を飛び出す太郎君のかわいいところ
第4章 知的障害のある子どもの理屈
第1節 知的障害の説明
1 知的障害の定義
2 知的障害の基礎知識
3 知的障害児・者の特性について
第2節 子どもの理屈から考える
1 子どもが身体で理屈をこねる時
2 首を横に振ることとうなずく(首を縦に振る)こと
3 目は口ほどにものをいう
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 大人の理屈でできている外界を大人が認識するということ
2 子どもの理屈に大人はどう付き合うのか
Topic3 個別の指導計画
第5章 肢体不自由のある子どもの理屈
第1節 肢体不自由の説明
1 肢体不自由の定義と概要
2 肢体不自由の基礎知識
3 肢体不自由の障害特性―脳性まひ
4 肢体不自由の障害特性―重度・重複障害
第2節 子どもの理屈から考える
1 なに? わからない……だから興味も湧かない
2 やりたい! でも,痛い! どうしたらいいの?
3 集中したいけど,気になるんだ!
4 不快だよ! わかってよ!
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 しんどさに共感する
2 思い(要求)を受け止め,経験を重ねていく
子どもの愛おしいところを語る3 肢体不自由のある子ども—ひー君に教えてもらったこと
第6章 聴覚障害のある子どもの理屈
第1節 聴覚障害の説明
1 聴覚障害とは
2 聴覚障害の基礎知識
3 聴覚障害の障害特性
第2節 子どもの理屈から考える
1 人に頼らず自分で頑張るしかない
2 ほとんど全部わからないんだけど
3 わたしはひとり
4 あれ? 勉強についていけない
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 早期からの教育的介入とコミュニティの確保
2 適切な言語入力と思考機会の確保
3 本人の意向を尊重する
Topic4 特別支援教育コーディネーター
第7章 視覚障害のある子どもの理屈
第1節 視覚障害の説明
1 視覚障害の定義
2 視覚障害の基礎知識
3 障害の特性
第2節 子どもの理屈から考える
1 同じ運動になっていないということが,自分ではわからない(エピソード1)
2 壁との距離や障害物の存在を感じることができる(エピソード2)
3 地面の枯葉が,枝に生えていた葉と同じとは思えない(エピソード3)
4 西を向いて進んでいるのに,なぜ東口?(エピソード4)
5 速く歩けと言われたから足の動きを速めたけれど……(エピソード5)
6 右側の扉が開くと言ったのに,自分の右側ではない場所が開いている(エピソード6)
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 基礎的能力
2 教材の考え方
3 指導目的と目標の設定と組み立て方
子どもの愛おしいところを語る4 視覚障害のある子ども—あきちゃんのかわいいところ
第8章 病弱の子どもの理屈
第1節 病弱の障害説明
1 病弱・身体虚弱の定義
2 子どもの病気の分類
3 病弱教育の歴史
4 病弱児の学びの場
第2節 子どもの理屈から考える
1 病気および病気からくる生活に対するネガティブな心理的状態
2 家族を中心とした他者への配慮
3 将来への不安
4 トータルペイン
第3節 子どもの理屈を大事にしたかかわり
1 不安を理解し,安心感につなげる
2 楽しい授業を通して,希望をつむぐ
Topic5 特別な教育的ニーズ
第9章 障害のある子どもを育てる親の理屈
第1節 障害のある子を育てる保護者
1 障害のある子どもとの生活
2 障害のある子を育てる親の心理
第2節 親の理屈から考える
1 他の子と比べちゃいけない―多様性を大切にするゆえの悩み
2 障害か/個性か―判断を迫られる親
3 わが子とのあいだにある隔たり
第3節 親の理屈を大事にしたかかわり
1 傷つきを理解する
2 「親はこうあるべき」を手放す
3 一緒に暮らすことの価値を尊重する
子どもの愛おしいところを語る5 障害のある子どもの保護者—花ちゃんの愛おしいところ
第10章 障害のある子どもにかかわる教師の理屈
第1節 専門的な概念と教師
1 特別支援教育の専門性
2 教師の「まなざし」とは
第2節 教師のかかわり方の問題
1 善意の利他的なかかわり,温情主義的なかかわり
2 父性主義的なかかわり
第3節 教師の理屈の落とし穴にはまらないために
