
つまらない中学をどう変えるか
出版社: 明石書店
- 20世紀初頭に生まれたフレネ教育を、中等教育で初めて本格的に展開した南仏ラ・シオタの実験校CLEF。その背景にある教育危機と教師たちの挑戦を、5度にわたる現地調査をもとに描く。生徒の問いから授業を創る実践は、日本の中学・高校改革にも新たな視座を提示する。
- はじめに[片岡洋子]
第1部 中学校で初のフレネ教育への挑戦
第1章 フランスの伝統的な教育への挑戦――フレネ教育実験中学・高校[片岡洋子]
1 フレネ教育とは何か
2 フレネ教育実験中学・高校(CLEF)のスタート
3 フランスの伝統的な教育への挑戦
4 ジャン・ジョレス中学校のフレネクラス
第2章 CLEFの独特のカリキュラム――個別作業学習(TI)、アトリエ、協同会議[片岡洋子]
1 CLEFにおけるフレネ教育カリキュラム
2 個別作業学習(TI)
3 アトリエ
4 協同会議(Conseil de Coopé)
第3章 授業はどう行われているのか[片岡洋子]
1 発表から始まり生徒によって進行する授業
2 歴史・地理の授業
第4章 生徒一人ひとりが個性的に学ぶこと[片岡洋子]
1 アトリエと教科
2 フレネクラスでの修了試験対策
3 教師は試行錯誤でフレネ教育の実践をつくる
4 点数によらない評価と点数による評定
5 研究発表
6 公開で行われる学習成果発表会
7 生徒が綴るフレネ教育
8 教育的関係性に欠かせない 尊重と配慮、共感
第5章 中学での実践を可能にしたフレネ教育論[片岡洋子]
1 フレネの「興味の複合」論
2 子どもの経験を学問へとつなぐこと
3 授業展開に見る興味の複合と教師の指導
4 生徒の問いが授業をつくる
5 興味を「問い」へ
6 個人の学習履歴としてのカリキュラム
おわりに
授業記録
数学の授業(2014年9月25日)[瓦林亜希子訳]
フランス語の授業(2013年3月18日)[辻由美訳]
第2部 フランスの中等教育の実践的試行
第6章 中等教育の新しい学校はなぜできたのか[ル・ルー清野ブレンダン]
1 フレネ中等教育誕生前史
2 中等教育制度改革によるフレネ教育への追い風
3 あらためてCLEFとは何か
4 CLEFの教育的アプローチ
5 新しい試みへの教師の熱意と国側の対応
6 CLEFに続く新たな試み――CCEF
第7章 ロンシャン中学校における実験的フレネ教育協同クラスの取り組み――教師の指導性とは何か[山田綾]
1 「来年度は、実験的フレネ教育協同クラスの所属になります」と学校から説明されて……
2 生活のなかでつくられる民主主義
3 CCEFとして教育実践を進めるうえで考慮しなければならなかったこと
4 求められる教師の指導性――生徒の発表作品づくりの過程における共同検討をつくる
5 ロンシャン中学校・エレーヌの実践から何を学ぶのか
第8章 高等学校におけるフレネ教育実践への挑戦――CLEF・リュミエール高校フレネクラスでの「学ぶ喜び」と自由な自己表現を保障する教育[瓦林亜希子]
1 リュミエール高校でのフレネクラスの実践
2 公立の高等学校でフレネ教育を実践することへの批判と、そもそもフレネが公立学校で学習者主体の実践をすることをめざした理由
3 フレネ教育が2013年以来の「あらゆる子どもたちの成功と安心・安全・満足(ビヤンヴェイヤンスの理念)をめざす教育改革」に与えた影響
おわりに
資料:リュミエール高校フレネクラスの自由テキスト作品の例
第3部 日本の教育の「いま」と「これから」
第9章 フレネ教育が照射する日本の教育[佐藤隆・片岡洋子]
1 子どもと教師が「つまらない」と感じる学校のいま
2 「教育は自由の空気のもとでこそ」からはじまった日本の教育のはずなのに
3 「評価」に縛られる教育
4 子どもと教師を客体化する教育改革
5 似て非なる「個別最適な学びと協働的な学び」とフレネ教育
6 オルタナティブな教育における評価
第10章 「どう見られるか」より「どうしたいか」を育て、励ます教育を[菅間正道・猩々紘怜]
はじめに
1 学校説明会における「高校3年生の言葉」から
2 いま、日本の学校教育は――3Kと「評価問題」
3 教育における評価はどうあるべきか――「励まし」「見通し」としての教育か、「値ぶみ」「おどし」としての教育か
4 自由の森学園における評価と「自己評価表」
5 自己操舵感を育む評価を
あとがき[佐藤和夫]
編著者紹介
