
平和構築への学際的アプローチ
出版社: 明石書店
- 戦争・紛争、気候変動、災害、民主主義の揺らぎなど、不確実性が高まる現代世界において、平和はいかに構築されうるのか。政治学、国際関係論、地域研究、環境・社会研究など多様な専門領域の研究者が、理論と実践の双方から平和構築を多角的に検討する学際的論集。
- はじめに[山田満]
第1章 持続的平和な社会に向けた紛争予防に関する一考察[山田満]
はじめに
Ⅰ.平和構築における強靭性と脆弱性
Ⅱ.東南アジアの紛争予防の経験――マレーシアと東ティモールを事例に
Ⅲ.改めて考える紛争要因と紛争予防のあり方
おわりに
第2章 戦争を回らなくする都市――唐津とマーストリヒトに見る適応的平和の構造[早田宰]
はじめに――問題設定と本章の射程
Ⅰ.既往研究の系譜――平和構築論から適応的平和研究へ
Ⅱ.理論枠組み――戦争のエスカレーションを減衰させる都市
Ⅲ.CLDによる戦争エスカレーション減衰構造の分析
Ⅳ.事例比較――唐津とマーストリヒトに見るエスカレーション減衰構造
おわりに――戦争エスカレーション減衰としての都市と平和構築の再定位
第3章 動的・多層的熟度モデルによる紛争終結の再理論化[上杉勇司]
はじめに
Ⅰ.既存理論の射程と限界
Ⅱ.動的・多層的熟度モデル
Ⅲ.事例分析――和平の成功と失敗を分かつもの
おわりに
第4章 嫌悪・怒り・恐怖・テロ(HAFT)が席巻する世界を乗り越えるには[河野毅]
はじめに
Ⅰ.恐怖の流布
Ⅱ.テロとは
Ⅲ.テロ事件が社会に与える影響
Ⅳ.SNSのHAFTが権力者に使われる
Ⅴ.HAFTと国家権力
Ⅵ.移民に対するHAFT
Ⅶ.世界大戦間のHAFT
Ⅷ.宗教を背景にするテロ事件のインパクト
Ⅸ.9.11 アメリカにおける連続テロ事件の政治的インパクト
Ⅹ.HAFTを乗り越える呼びかけ
おわりに
第5章 平和を追求した日中の「人脈」と「学知」[劉傑]
はじめに
Ⅰ.戦争を回避するために動いた人脈
Ⅱ.学知が紡ぐ日中関係
おわりに
第6章 民主主義の質と紛争予防――東ティモールにみるアカウンタビリティ確保に向けた市民社会主体の役割と課題[田中(坂部)有佳子]
はじめに
Ⅰ.民主主義の質と紛争予防――アカウンタビリティの観点から
Ⅱ.紛争経験国における対角的アカウンタビリティの時系列比較
Ⅲ.東ティモールにおけるアカウンタビリティの進展と課題
おわりに
第7章 アフリカにおける市民社会スペースの縮小――市民社会組織に対する規制と性的マイノリティへの影響[利根川佳子]
はじめに
Ⅰ.市民社会スペースとは
Ⅱ.市民社会スペースの意義
Ⅲ.アフリカにおける市民社会スペース縮小の背景と概況
Ⅳ.市民社会スペースの縮小化を食い止めるために
おわりに――アフリカにおける市民社会スペースの行方
第8章 階調豊かなハイブリッド平和構築(GHP)への道――ムスリム・ミンダナオにおける多様な紛争解決メカニズムの事例から[香川めぐみ]
はじめに――平和構築における学術的・実務的課題
Ⅰ.新たな枠組み――階調豊かなハイブリッド平和構築(GHP)モデル
Ⅱ.フィリピンのムスリム・ミンダナオ分離独立紛争と分裂された社会
Ⅲ.リベラル平和構築枠組みによる事例分析
Ⅳ.ポスト・リベラル平和構築枠組みによる事例分析
Ⅴ.階調豊かなハイブリッド平和構築枠組みによる実例
おわりに
第9章 伝統的制度に基づく資源管理――インドネシア バリ島の“スバック”[宮澤尚里]
はじめに
Ⅰ.伝統的水利システム「スバック」の特徴
Ⅱ.事例研究――スバックによる活動
Ⅲ.伝統的灌漑システム「スバック」の機能
おわりに――結論と政策的示唆
第10章 カンボジアにおける国際協力ドナーの変遷と国内人権状況の相関[島﨑裕子]
はじめに
Ⅰ.カンボジアにおける経済成長とドナーの変遷
Ⅱ.カンボジアを取り巻く国際関係の変化――中国がもたらす社会的影響
Ⅲ.援助に対する変化と人権状況
Ⅳ.民主主義度と権威主義
おわりに
第11章 人道支援がつなぐ人道・開発・平和の連携(HDPネクサス)――日本のNGOの実践にみる「エブリデイ・ピース」が開く現場知[桑名恵]
はじめに
Ⅰ.人道支援の危機
Ⅱ.HDPネクサスと「人道」「平和」
Ⅲ.HDPネクサスの効果を高めるアプローチ――エブリデイ・ピース
Ⅳ.HDPネクサスに関するJPFの取り組み
Ⅴ.HDPネクサスを見据えた事業実施上の工夫
おわりに
編著者略歴
