非二元的な性を生きる

非二元的な性を生きる

出版社: 明石書店
著者: 武内 今日子
  • 30人ほどへのインタビューやミニコミ誌・インターネット上のテクストをもとに、1990年代から2010年代の日本におけるXジェンダーやノンバイナリーなど「男」「女」に当てはまらない非二元的な性概念が用いられてきた歴史をたどる。
  •  はじめに
    第1章 序論――ジェンダー非順応な人びとのカテゴリーを問いなおす
     1.1 ジェンダー非順応な人びとを表すさまざまなカテゴリー
     1.2 ジェンダー非順応な人びとをめぐる社会的処遇の定まらなさ
     1.3 カテゴリーをめぐるコンフリクト
     1.4 本書の目的と構成
    第2章 先行研究の検討と問いの所在
     2.1 ジェンダー非順応な人びとをめぐるカテゴリーと性規範
      2.1.1 性的マイノリティの運動におけるカテゴリーをめぐる規範的主張
      2.1.2 ジェンダー非順応な人びとの間でのカテゴリー運用と性別二元論
     2.2 カテゴリーのもとで自己定位する多様な実践
      2.2.1 性別二元論を前提とするカテゴリーの多義的な運用
      2.2.2 非二元的な性自認をもつ人びとを対象とする研究
     2.3 ジェンダー非順応な人びとに関する歴史的研究
     2.4 本書の視座
    第3章 調査の概要と分析方法
     3.1 分析対象とする文献資料
      3.1.1 性的マイノリティ専門誌の概要
      3.1.2 インターネット上のテクストの調査
     3.2 インタビュー調査の概要
     3.3 分析方法と多様な資料の位置づけ
      3.3.1 分析方法
      3.3.2 多様な資料から明らかにしうること
    第4章 二元的な性の自明視と、「オーバージェンダー」「インタージェンダー――1990年代のミニコミ誌を中心に
     4.1 性を理解する諸概念の導入――「同性愛者」による活動を中心に
     4.2 男性学の文脈における「トランス・ジェンダー」をめぐる実践
     4.3 「TV」「TS」「TG」の定着――文脈による意味づけの違いに着目して
      4.3.1 女装交際誌『くいーん』における「TV」「TS」「TG」の運用
      4.3.2 GID医療化の運動における「TS」「TG」――『FTM日本』の語りを中心に
     4.4 「オーバージェンダー」「インタージェンダー」はいかに用いられたか
      4.4.1 嶋田啓子による「オーバージェンダー」の自己カテゴリー化
      4.4.2 三橋順子による「インタージェンダー」の造語とその影響
    小括
    第5章 GID概念の導入と「FtX」「MtX」による性別移行の規範への抵抗――1990年代末の関西のグループに着目して
     5.1 GID概念に基づくガイドライン策定と性別移行をめぐる規範
      5.1.1 「TS」は「障害」なのか
      5.1.2 性別移行をめぐる規範
     5.2 G-FRONT関西における「X」の名乗り①――「バイセクシュアル」をめぐる主張
      5.2.1 G-FRONT関西の状況
      5.2.2 「バイセクシュアル」のもとでの性別二元論批判
     5.3 G-FRONT関西における「X」の名乗り②――森田真一をめぐる多層的な語り
     5.4 G-FRONT関西における「X」の名乗り③――自助グループにおける実践
    小括第6章 GID概念の普及と関西を越えた「X」の多義的な意味づけ――2001年頃から2010年頃における当事者活動から
     6.1 特例法制定前後における当事者活動
      6.1.1 戸籍上の性別変更をめざす活動とジェンダーフリー
      6.1.2 特例法制定とその後の活動の展開
     6.2 GID認知の拡大のもとで生じる「X」を名乗る困難
      6.2.1 「GID」という“アイデンティティ”の顕在化とそれに対する批判・葛藤
      6.2.2 “GIDブーム”期における「X」を名乗る困難
      6.2.3 関西におけるセクシュアリティを語るグループでの活動
     6.3 インターネット上での交流を契機とした「X」が名乗られる場の拡大
      6.3.1 ホームページ(HP)における非二元的な性の諸概念
      6.3.2 mixiにおける非二元的な性の「コミュニティ」
      6.3.3 匿名掲示板における「X」を掲げた「スレッド」
      6.3.4 「SNSコミュニティ」での未治療「FtX」
     小括
    第7章 「Xジェンダー」「ノンバイナリー」の普及と当事者間でのカテゴリー化――2010年代における当事者活動から
     7.1 FtX当事者像の変質――「MaX.」における活動を中心に
     7.2 「Xジェンダー」をめぐる当事者間でのカテゴリー化――2010年~2015年頃の匿名掲示板とTwitterにおける議論から
      7.2.1 二元的ジェンダーからの「逃げ」としての「X」
      7.2.2 GID医療の利用と「X」
      7.2.3 「Xジェンダー」の定義づけへの批判
     7.3 非二元的な性を表すカテゴリーの社会的認知の拡大
      7.3.1 Xジェンダー当事者団体による情報発信
      7.3.2 「Xジェンダー」「ノンバイナリー」等の複数の意味づけ――インターネット記事と匿名掲示板から
     7.4 当事者活動における「Xジェンダー」「ノンバイナリー」の承認と脱ジェンダー
      7.4.1 非二元的な性を生きる人びとが参加するグループの状況
      7.4.2 「Xジェンダー」「ノンバイナリー」としての承認と脱ジェンダー化
     小括
    第8章 未規定な性のカテゴリーによる自己定位――社会的文脈による語りの差異に着目して
     8.1 経験の再解釈――非二元的な性解釈の可能性
      8.1.1 さまざまな所属を経た非二元的な自己の表現
      8.1.2 「Xジェンダー」による経験の解釈
     8.2 認識上の切断――他のカテゴリーからの差異化
      8.2.1 「トランスジェンダー」の下位カテゴリーとしての「FtX」
      8.2.2 「トランスジェンダー」からの自己の差異化
     8.3 便宜的な名乗り――カテゴリーの曖昧さの重視
      8.3.1 曖昧なカテゴリーとしての「Xジェンダー」
      8.3.2 暫定的な居場所
     8.4 政治的主張の根拠――カテゴリーの意味の厳密化
     小括
    第9章 結論――非二元的な性のカテゴリーが可能にした実践の変遷
     9.1 本書で論じたこと
     9.2 先行研究に対する貢献
      9.2.1 非二元的な性のカテゴリー運用の30年史
      9.2.2 非二元的な性のカテゴリーに関連する諸カテゴリーの定着とその帰結
      9.2.3 未規定な性のカテゴリーが可能にした自己定位の実践
     9.3 今後の課題と展望
     おわりに
     資料編
      1 性的マイノリティ専門誌
      2 mixiコミュニティ
      3 mixiトピック
      4 Togetter
      5 匿名掲示板スレッド
      6 インターネット記事
     文献
     索引

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