
豚を飼う農耕民の民族誌
出版社: 明石書店
- タイ北部の山地に暮らす少数民族モンの、豚を飼いその肉を食べる生業文化について、フィールドワークによる詳細な民族誌から、その実像を示す。とくに、飼育環境、餌の採集と給与、去勢と交配の管理、食肉利用と供犠利用などの点から、社会変化による文化の動態と継承性の問題を考察する。
- はじめに
第1章 問題設定
1-1 先行研究の検討
1-2 目的・方法・枠組み
第2章 タイにおける農耕民の生業文化
2-1 生業と家畜飼育の概要
2-2 国の近代化と家畜飼育(1910年代~2010年代)
2-3 タイ北部における多様な生業文化
第3章 農耕民モンの生業文化:タイ北部ナーン県HY村
3-1 自然環境・人口・立地
3-2 移住とその経緯
3-3 人口とその動態
3-4 社会・宗教・経済
3-5 家畜飼育
第4章 豚を飼う
4-1 飼育環境
4-2 餌の給与
4-3 餌の採集:とくにバナナ植物体について
第5章 豚を維持する
5-1 出産事例からみた再生産
5-2 去勢管理
5-3 交配管理
第6章 豚を食する
6-1 食する機会
6-2 食するための取引
6-3 小規模に飼い続ける要因
第7章 家畜を飼う文化
7-1 L氏の暮らしと生業
7-2 家畜の供犠利用
7-3 家畜を飼う文化の変容:改良品種の影響
第8章 考察:モンの生業文化とその動態
8-1 豚を飼う文化の動態モデル
8-2 豚を飼う文化の比較
8-3 新たな環境への適応過程:生業文化と定住化
おわりに
初出一覧
参考文献
図・表・写真リスト