
デジタル・ジオグラフィーズ
出版社: 明石書店
- 現代人は誰しもデジタル技術と共に生きている。コンピュータが情報処理の道具に留まらず、世界を構成するアクターの一つとなった今、「空間」、「場所」、そしてそれらを取り扱う地理学はどう変容し、発展するのか。25のテーマから説き起こす「デジタル地理学」の手引き書。
- 日本語版序文 デジタル地理学/日本の地理学
第1章 デジタル・ジオグラフィーズへの招待
デジタル地理学
デジタルを定義する
デジタル論的転回
本書の構成
第Ⅰ部 デジタル空間
第2章 空間性
はじめに
地図‐領土関係
ハイブリッド空間
デジタルシャドウと拡張現実
コード化空間とコード/空間
媒介的空間性
人間を超えた空間性
第3章 都市
はじめに
都市を計算する――略史
初期の視座――サイバーシティの地理学
スマートアーバニズム
スマートシティを超えるデジタルアーバニズム
第4章 農村
農村の技術
農業,産業主義,そして農村の田園風景
どのようにコードが農業生産を変化させているか――三つの事例研究
将来の農場とスマートな農村空間
第5章 マッピング
導入点
歴史
議論
未来
第6章 モビリティ
はじめに
特定の機能をもつデジタル技術
相互接続されたデジタル技術
自動化(オートメーション)
第Ⅱ部 デジタル手法
第7章 認識論
はじめに
歴史,地理学,デジタルなもの
視覚への偏重と資本――さらなる二つの認識論的批判
おわりに――普遍的な認識論に抗う
第8章 データとデータインフラストラクチャー
はじめに
デジタルデータと地理学研究
データインフラストラクチャー,オープンデータ,API
クリティカル・データ・スタディーズと地理学研究
第9章 質的手法と地理人文学
はじめに――同時発生的であることについて
歴史的文脈と主な論争
デジタル人文学/空間人文学/地理人文学
子どもと若者の地理
潜在的な将来の動向
第10章 参加型手法と市民科学
はじめに
参加論的転回とデジタル論的転回
デジタルな参加型手法
主要課題
今後の展開
第11章 カルトグラフィーとGIS
はじめに
歴史的文脈――編み込まれた流れ
世界の地図学的モデル
高度に対話的なプロセスとしてのマッピング
マッピングプラットフォームとしてのインターネット
コードの重要性の高まり
ありえる未来
第12章 統計学,モデリング,データサイエンス
はじめに
歴史的文脈
現在の議論
実現可能な未来
おわりに
第Ⅲ部 デジタル文化
第13章 メディアと大衆文化
はじめに
デジタルプラットフォームの台頭
デジタルプラットフォームとコンテンツ制作の論理
デジタルプラットフォームとミクロ文化
デジタルプラットフォーム,ミクロ文化,情動
デジタルプラットフォームと大衆文化を研究する
第14章 主体/主体性
はじめに
データと監視下の主体
誰が(デジタルな)主体とみなされるのか?
おわりに
第15章 表象と媒介
はじめに
表象とデジタル地理学
デジタル地理学と媒介
今後の方向性
第Ⅳ部 デジタル経済
第16章 労働
はじめに
歴史的な文脈づけ――新旧のシルクロード
デジタル労働
デジタル労働の空間を再考する
おわりに
第17章 産業
はじめに
デジタル産業の成り立ち
デジタル産業の地理
デジタル産業の次なる一歩
第18章 シェアリングエコノミー
はじめに
歴史的文脈におけるシェアリングエコノミー
共有についての言説
デジタルプラットフォームの役割
分配としての共有?
今後の展開
第19章 既存の産業
はじめに
既存産業とデジタルなものの変革的な性質
デジタル化によって破壊された三つの産業――小売業,金融業,製造業
おわりに――地理は有効である
第Ⅴ部 デジタル政治
第20章 開発
はじめに
略史
理論的アプローチ
主要な議論
今後の展開
おわりに
第21章 ガバナンス
はじめに
デジタルガバナンスの初期形態
社会‐空間的関係のデジタルガバナンス
規律訓練から制御と予測へ
おわりに
第22章 市民論
デジタル市民論の出現
市民権のデータ化
デジタル市民論の空間化
デジタル市民論の企業化
デジタル市民論の新たな反抗的利用
第23章 倫理
はじめに
公共空間の商業化のためのツールとしてのデータ化
集団と個人
データ倫理の課題
第24章 知識政治
はじめに
地理空間的知識の政治学
アクセスの問題――デジタルインフラストラクチャーと物質的不平等
認識論的バイアス――アクセス,視認性,権威
デジタル知識のより広範な政治的・物質的効果
おわりに
第25章 地政学
地政学とデジタル地理学
歴史
論争
将来の発展
監訳者解題
索引