
キューバを知るための50章【第2版】
出版社: 明石書店
- 革命から60年以上が経ち世代交代が進むキューバ。多くの資料が公開され、革命関連だけでなく文化・芸術など広範な分野の研究も可能になった。米国の厳しい経済制裁下でも我が道を歩み続ける国の姿を、気鋭の執筆陣が新たな知見を交え様々な角度から紹介する。
- はじめに
地図
Ⅰ 世界で最も美しい島から砂糖の島へ
第1章 コロンブスによる「発見」――先住民の死滅、奴隷労働による繁栄へ
第2章 キューバ社会と「人種」――人種的調和は夢か現か
第3章 海賊の時代――要塞都市の誕生
第4章 砂糖モノカルチャーの形成――米国の砂糖農場への道
第5章 ヤラの叫び――第一次独立戦争①
第6章 バラグアの抗議――第一次独立戦争②
第7章 「キューバ独立の父」ホセ・マルティ――第二次独立戦争①
第8章 メイン号爆破事件の不思議――第二次独立戦争②
Ⅱ 真の独立を目指して――革命成功
第9章 モンカダ兵営襲撃――革命の始まり
第10章 グランマ号――革命の勝利は嵐の海を漂う小さなヨットに託された
第11章 「師」マルティの弟子として――フィデル・カストロ・ルス①
第12章 先人の経験から学び、最後に革命を成功させた人――フィデル・カストロ・ルス②
第13章 「ラテンアメリカの旅」――エルネスト・ゲバラ①
第14章 「チェ」として生きる――エルネスト・ゲバラ②
【コラム1】チェ・ゲバラ、イコンの旅
第15章 メルバ、アイデー、セリア――キューバ革命女性群像
Ⅲ 公正な社会を求めて
第16章 革命成功――いばらの道が始まる
第17章 反革命軍の侵攻――薄氷の勝利
第18章 ミサイル危機――もしも公開して設置していたならば……
第19章 平等主義体制――「乏しきを分かち合う」
第20章 「ソ連化」の時代――「これはキューバらしい社会じゃない」
第21章 ソ連解体の衝撃――生き残りをかけて
第22章 世界一厳しい制裁法――ヘルムズ・バートン法
第23章 マイアミのキューバ人――反キューバの牙城から「普通の米国市民」へ
第24章 半世紀ぶりの国交回復――「米国の限界」の壁は厚かった
Ⅳ キューバ風社会主義
第25章 部分的経済自由化のもとで公正な社会を目指す――2019年憲法
第26章 国際主義――ヘンリー・リーブ隊、識字教育、ラテンアメリカ主義
第27章 キューバ共産党――宗教信者も入党
第28章 カリブ海の小さな「科学大国」――「科学技術なくして未来なし」
第29章 キューバの女性たち――社会変革の推進力
第30章 キューバの医療――高度な医学と地域に根差したファミリードクター制度
第31章 5種の新型コロナワクチンを開発――「無い無い尽くし」の中で
第32章 知の社会を目指して――教育システム
第33章 キューバ野球の歴史――19世紀から現代まで
第34章 キューバの宗教――豊かな民衆信仰の世界
第35章 文化政策――1に教科書、2に教科書、3にも教科書を
Ⅴ 花開く芸術
第36章 音楽大国への歩み――キューバ音楽①
第37章 不幸な結婚が生んだ混血美女――キューバ音楽②
第38章 音楽パラダイスへの誘い――キューバ音楽③
【コラム2】『ノーチェ・トロピカル』に救われて
第39章 キューバ文学の醍醐味――トランスレイション・スタイル
第40章 現代キューバの作家たち――空白期以降の小説作品
第41章 ヘミングウェイをキューバに取り戻す――『老人と海』はどこで書かれたのか
第42章 キューバ映画を楽しむ――革命の理想と現実を映し出す
第43章 キューバ現代アートの魅力――アートに息づくキューバン・アイデンティティ
第44章 ハバナの風景――旧市街、セントロ・ハバナ、新市街、そして海
第45章 キューバの世界遺産――トリニダーとロス・インヘニオス渓谷
第46章 キューバのカーニバル的祝祭――人生はカーニバル(La vida es un carnaval)
【コラム3】「キューバの至宝」アリシア・アロンソ
Ⅵ 食の楽しみ
第47章 キューバ料理――海洋国家でありながら強い肉料理指向
第48章 ラム酒――キューバの国民的スピリッツ
第49章 コーヒー――国民のアイデンティティ形成に深く関与
第50章 ハバナ葉巻――愛煙家にとっての垂涎の的
参考文献