高等教育改革の政治経済学
出版社: 明石書店
- 知識基盤社会における高度人材の育成とイノベーション創出に応えられる高等教育改革とはどのようなものか。諸外国と日本の大学改革の成果と課題を政治経済学的な視点から比較評価し、日本の改革の失敗の本質を見定め、異なる改革の方向性と具体策を明らかにする。
- はしがき
序章 本書の目的と分析の枠組み[田中秀明]
第1節 背景
第2節 枠組み
第3節 構成と各章の概要
第Ⅰ部 高等教育改革の軌跡
第1章 イギリス――自律から新たな自律へ[大森不二雄]
第1節 はじめに
第2節 高等教育システムの現状と特徴
第3節 高等教育改革の経緯と内容
第4節 高等教育改革の特徴と評価
第5節 おわりに
第2章 オーストラリア――連邦政府主導による市場化と国際化[杉本和弘]
第1節 はじめに
第2節 高等教育システムの現状と特徴
第3節 高等教育改革の経緯と内容
第4節 高等教育改革の特徴と評価
第5節 おわりに
第3章 オランダ――ハイブリッド・モデルへ[田中秀明]
第1節 はじめに
第2節 高等教育システムの現状と特徴
第3節 高等教育改革の経緯と内容
第4節 高等教育改革の特徴と評価
第5節 おわりに
第4章 ドイツ――抑制された舵取りモデルへ[田中秀明]
第1節 はじめに
第2節 高等教育システムの現状と特徴
第3節 高等教育改革の経緯と内容
第4節 高等教育改革の特徴と評価
第5節 おわりに
第5章 フランス――全構成員自治からの漸進的変化[大場淳]
第1節 はじめに
第2節 高等教育システムの現状と特徴
第3節 高等教育改革の経緯と内容
第4節 高等教育改革の特徴と評価
第5節 おわりに
第6章 日本――自律性の挫折から政府統制の強化へ[大森不二雄]
第1節 はじめに
第2節 高等教育システムの現状と特徴
第3節 高等教育改革の経緯と内容
第4節 高等教育改革の特徴と評価
第5節 おわりに
第Ⅱ部 高等教育の政策過程
第7章 イギリス――政権交代を超えた改革[大森不二雄]
第1節 はじめに
第2節 統治構造
第3節 政策過程
第4節 政権交代時に引き継がれた高等教育財政改革
第5節 改革の政策過程から見える政策パラダイムの共有
第6節 おわりに
第8章 オーストラリア――実験的改革の試行と転換[杉本和弘]
第1節 はじめに
第2節 統治構造
第3節 政策過程
第4節 業績連動型配分システムの経緯・仕組み・評価
第5節 需要駆動型財政配分システムの経緯・仕組み・評価
第6節 おわりに
第9章 オランダ――科学的な分析と合意形成[田中秀明]
第1節 はじめに
第2節 統治構造
第3節 政策過程
第4節 業績協定と品質協定の経緯と仕組み
第5節 業績協定の評価
第6節 高等教育改革の政策過程の特徴と問題
第7節 おわりに
第10章 ドイツ――合意形成と相互牽制[田中秀明]
第1節 はじめに
第2節 統治構造
第3節 政策過程
第4節 卓越構想と卓越戦略の経緯と仕組み
第5節 卓越構想と卓越戦略の評価
第6節 高等教育改革の政策過程の特徴と問題
第7節 おわりに
第11章 フランス――中央集権制度と参加による合意形成[大場淳]
第1節 はじめに
第2節 統治構造
第3節 政策過程
第4節 高等教育改革の事例の政策・実施過程分析
第5節 おわりに
別紙 委員会等による調査活動
第12章 日本――検証なきトップダウン[田中秀明]
第1節 はじめに
第2節 統治構造
第3節 政策過程
第4節 業績連動型交付金の経緯
第5節 業績連動型交付金の問題点
第6節 高等教育改革の政策過程の特徴と問題
第7節 おわりに
第Ⅲ部 高等教育改革の比較分析
第13章 高等教育改革の国際比較――改革の内容と成果[大森不二雄]
第1節 はじめに
第2節 改革の内容の比較
第3節 大学の自律性の比較
第4節 改革の成果の比較
第5節 改革の特徴と成果から何が言えるか
第6節 おわりに――日本の高等教育改革は失敗している
第14章 高等教育改革の政策過程――政策形成能力の比較[田中秀明]
第1節 はじめに
第2節 分析の枠組み
第3節 改革の背景・契機
第4節 政治・行政システムと政策形成過程の特徴
第5節 高等教育改革の政策過程
第6節 おわりに
終章 日本の高等教育は立ち直れるか[大森不二雄]
第1節 はじめに
第2節 日本の高等教育改革の失敗の本質
第3節 これまでの政策を全面的に見直し、異なる改革の方向を示す
第4節 おわりに――大学関係者は声を上げ、変革の意思を示すべき
補章 大学ファンド――失敗に学ばず、更なる統制強化へ[大森不二雄]
第1節 はじめに
第2節 トップダウン型ガバナンスを求めた国際卓越研究大学の選定
第3節 政府介入の常態化と垂直統制のためのガバナンス構造
第4節 内閣府等による文部科学省を通じた間接統治
第5節 国際卓越研究大学制度はエビデンスに基づいた政策か
第6節 おわりに