
生きづらさの民俗学
出版社: 明石書店
- 柳田國男の問い「何故に農民は貧なりや」から始まった自己内省の学は、今日あらたに問いをたてなおし、とにもかくにも〈しんどい〉現代社会への探求の扉をふたたび開く。
「何故我々は生きづらいのか?」
本書は、民俗学に初めて触れる読者を想定した「入門書」である。わたしたちの社会のいたるところにみられる差別や排除、「生きづらさ」というテーマを民俗学はどう考えることができるか、そしてそこに立ちあらわれる民俗学とは何か。 - まえがき 本書の読み方[及川祥平・川松あかり・辻本侑生]
◆第Ⅰ部 生きづらさと民俗学
第1章 生きづらさと差別[川松あかり]
第2章 民俗学と生きづらさ[及川祥平]
第3章 生きづらさとインターセクショナリティ[辻本侑生]
◆第Ⅱ部 生きづらさを民俗学する
第1章 選べない出自と阻まれる職業選択[岡田伊代]
第2章 「多文化共生社会」の中の生きづらさ[川松あかり]
コラム1 学歴と格差・地域差[辻本侑生]
第3章 ジェンダーとセクシュアリティ[辻本侑生]
第4章 エイジズム[及川祥平]
コラム2 自己実現をせまる社会における推し活[藤崎綾香]
第5章 病気と差別[今野大輔]
第6章 差別に対する患者たちの抵抗と紐帯[桜木真理子]
コラム3 都市の見えづらい分断[岡田伊代]
コラム4 ラジオ番組に集う視覚障害者たち[奈良場春輝]
第7章 暮らしと障害[入山頌]
第8章 ケガレ[今野大輔]
第9章 災害と生きづらさ[及川祥平]
◆第Ⅲ部 生きづらさにせまる
第1章 話者と見つける研究視点[岡田伊代]
第2章 わからなさと交差点[桜木真理子]
コラム5 セクシュアリティ研究の難しさと意義[三上真央]
第3章 旧産炭地へのフィールドワーク[川松あかり]
第4章 被災地のフィールドワーク[辻本侑生・及川祥平]
コラム6 地域コミュニティを取り巻く生きづらさ[藤崎綾香]
第5章 生きづらさへ資料からアプローチする[辻本侑生]
第6章 民俗資料から生きづらさにせまる[今野大輔]
あとがき
索引
執筆者紹介