
ILOの対中関与と上海YWCA
出版社: 法政大学出版局
- 欧米を重視していたILOが治外法権の租界がある上海でなぜYWCAと協力できたのか。民族・階級・ジェンダーから戦争と平和を考察
- 治外法権の租界があり、女性や児童が劣悪な条件で働く上海で、ILOはなぜ民間団体YWCAと協力できたのか。民族・階級・ジェンダーから戦争と平和を考察する。
- 第一次世界大戦後に設立された国際労働機関ILO。当初、欧米を重視していたILOだが、中国で労働運動が高揚したのをきっかけに世界に目を向け始める。治外法権の租界があり、女性や児童が劣悪な条件で働く上海で、ILOはなぜ、民間団体YWCAと協力できたのか。日中戦争期の抗日運動の国際化についての新知見をもふまえ、民族・階級・ジェンダーから戦争と平和を考察する。
- 序章
1 本書の目的と問題の所在
2 三つの検討事項
3 先行研究と本書で用いる史料
4 本書の構成
第1章 ILO設立過程における対日問題:日英間の舞台裏交渉
はじめに
1 岡実の日本における立ち位置
2 講和会議の労働法制委員会
3 第一回ILO総会
小結
第2章 欧州地域統合と国際労働基準:ハイパーインフレーションの教訓
はじめに
1 ILO設立当初の様々な躓き
2 ルール危機とヨーロッパ諸国の連帯
3 戦間期の自由貿易論と産業カルテル論
4 ILOの炭坑労働調査
小結
第3章 五・三〇運動の衝撃:ナショナリズムと国際機関
はじめに
1 交錯する労働問題と国際政治
2 YWCAの変化に引き込まれるILO
3 一九三一年のILO訪中使節と中国工場法の施行
小結
第4章 労災と失業の上海:行政的解決か労働者教育か
はじめに
1 ILO事務局長の交代
2 租界の工場監督制度とYWCA女工夜学
3 程海峰ILO中国分局長のアプローチ
4 鄧裕志率いる中国YWCA産業部
5 英中接近に望みをかけるILO
小結
第5章 国際機構間関係史としての日中戦争:「生活水準の向上」に基づく国際的な連帯
はじめに
1 日中戦争前夜からの国際労働運動
2 中国工業合作の国際化
3 労働と金融の国際協力
小結
終章
1 結論
2 残された課題
あとがき
参考文献
索引