問いとしての尊厳概念

問いとしての尊厳概念

出版社: 法政大学出版局
著者: 加藤 泰史
  • 高齢者、ジェンダー、人権、法、プラトンやハイデガーの哲学、文学、動植物、儒教、仏教、イスラームまで多様な領域で尊厳を論じる。
  • 高齢者やジェンダーなどの社会問題、人権、正義、プラトンやハイデガーなどの哲学、文学、動植物、儒教、仏教、イスラームまで多様な領域で尊厳を論じる。
  • これまで「尊厳」概念の議論は、生命倫理や医療倫理の領域で、欧米圏での議論が中心であったが、本論集はその枠組みを超えて、高齢者やジェンダーなどの社会問題から、人権、正義、法、プラトンやハイデガーなどの哲学における概念の再構築、儒教、仏教、イスラーム、そして文学や動植物ら被造物の「尊厳」を論じる。問いを新たに惹起して諸問題の議論を継続する「問いとしての尊厳概念」を創出する。
  • 編者前書き 「Argument Stopper」から「Argument Provoker」へ(加藤泰史)
    第Ⅰ部 原理的考察
    1 看護倫理学と「高齢者の尊厳」の問題・序説(加藤泰史)
    2 批判の根拠──社会的正当化秩序における人権概念について(ライナー・フォアスト/桐原隆弘゠訳)
    3 尊厳へのケイパビリティと公共的相互性(後藤玲子)
    4 人間の尊厳はくるむようにして守られる(品川哲彦)
    5 「尊厳」概念の不確定性をめぐって(宇佐美公生)
    6 被造物の尊厳──比較衡量可能な内在的価値の可能性(岩佐宣明)
    7 尊厳の崇高論──崇高としての尊厳と価値の問題(高木駿)
    第Ⅱ部 欧米圏の概念史的考察
    1 プラトンにおける「魂の尊厳」(齊藤安潔)
    2 カントにおける尊厳と教育(ヨハネス・ギージンガー/柳橋晃・片山勝茂゠訳)
    3 ハイデガーは人間にいかなる尊厳を見出しているのか?(森永駿)
    4 人間の尊厳とは、権利をもつ権利である──誤解されてきたボン基本法のメッセージ(クリストフ・エンダース/吉田量彦゠訳)
    5 一九四五年以後の人間の尊厳──人権史における一つの激変がもたらした、さまざまな帰結について(アルント・ポルマン/吉田量彦゠訳)
    第Ⅲ部 非欧米圏の概念史的考察
    1 生まれてこないものの尊厳──仏教と反出生主義(前川健一)
    2 グローバル化萌芽期における霊魂の不滅に関する言説をめぐって(武田祐樹)
    3 日本の近代化における女性の尊厳意識への目覚め(上原麻有子)
    4 関係概念としての〈尊厳〉──『ひかりごけ』と『バートルビー』における〈食〉と〈生〉の共振をめぐって(ギブソン松井佳子)
    5 春秋学の微辞と中華の復興(小島毅)
    6 儒教的表現意識と個の表白──「詩言志」理解の変化をめぐって(牧角悦子)
    7 中国古典哲学における人間の尊厳の観念──儒教思想の再構成(張千帆/高畑祐人゠訳)
    8 オスマン社会における「尊厳」(小松香織)
    ◎参考資料「尊厳概念のグローバルスタンダードの構築に向けた理論的・概念史的・比較文化的研究」活動記録(齊藤安潔・小倉康寛・森永駿・加藤泰史゠編)
    編者後書き それでもなお、「尊厳ある社会」の構築に向けて(加藤泰史)
    執筆者・訳者紹介

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