
情報敗戦 日本近現代史を問いなおす
出版社: 筑摩書房
- 戦後80年を経て日本はなぜ再び情報による敗戦に直面しているのか。日本に巣くう「情報のカラクリ」を暴き、歴史の虚実を検証する。
- 戦後80年を経て日本はなぜ再び情報敗戦に直面しているのか。松本清張やアレントらの視点に学び、日本に巣くう情報のカラクリを暴き、歴史の虚実を検証する。
- この国において、政府やメディアなど権力の「大本営発表」への批判精神が皆無なのは八十年前と同じ。知識人も庶民もしっかりとした歴史を見る眼を持たず、歴史に無関心なため、いま再び「情報敗戦」に直面しているのだ。正しい歴史観を持たない限り、日本は今後も新たな敗戦への道をひた走るだけだろう。松本清張や辺見庸、アレントやサイード等々、内外の知識人たちの遺してきた貴重な史論や思想を手掛かりに、日本社会に隠された「情報のカラクリ」を暴き、歴史の虚実を検証する。
- はじめに――「情報のカラクリ」
序章 問題の発見
1 没落の止まらない日本
2 グローバルサウスの台頭が揺るがす世界
3 「blowback(報復・因果応報)」
4 2024年12月――激震を予兆させる情報
第1章 史観で眺める日本
1 蔓延するニヒリズム
2 「和」という階層序列
3 近代の序曲「脱中世」の有無
第2章 「昭和維新」と満洲
1 「昭和維新」の衝撃
2 満洲移民
第3章 清張史観の遺したもの
1 日本の権力は「神輿」
2 機能不全の司令塔
3 ルサンチマン考
4 日本の孤立
第4章 戦後日本とは何か
1 象徴という権力
2 戦争体験者の声
3 風土は変わるか?
4 風土に巣食う闇と病み
5 外から吹く風
6 多様化する世界
第5章 世界史的大転換
1 戦後80年(2025年8月)を前に
2 可視化された従属
3 歴史に学ばず
4 日本の情報空間の闇
第6章 人間とは何か
1 説明不能な日本
2 「オメルタ(マフィアによる沈黙の掟)」
3 世界を知らず、己も知らず
4 「和」というイデオロギー
5 消えた「大人」
第7章 「民主主義は暗闇の中で死ぬ」(Democracy Dies in Darkness)
1 会社主義の顛末
2 野蛮な「イエ社会」
3 つくられた「幼児性」
4 「731」残党から韓国激震までを読む
5 「法治」なき社会を生きる
6 鳴り響く警鐘
7 官僚制は民意を無視する
8 「史観」の攻防
9 「庶民」というアイデンティティ
10 大学の凋落(高等教育の空洞化)
結章 絶望に抗う
1 ブラウンとカズンズ
2 変わらない自画像
3 情報のメッセージを読む
4 存亡の危機迫る時代を突破できるか?
あとがき――なき妻へ