フランツ・カフカ 創作と流れ、〈あなた〉との出会い
出版社: 春風社
- テクストの流れの形象が担う意義とは? 著作を通じて世に問いかけたものとは? 書き手としての喜びと苦悩、作家としての意志を探る。
- 序論
第一部 創作と流れ
Ⅰ 形象と隠喩
1 創作をめぐるカフカの形象表現に関する先行研究
2 隠喩論
Ⅱ 創作をめぐるカフカの隠喩―『判決』以前と以後―
1 “僕は高揚している間だけ良いものを考え出す”―『判決』までの日記―
2 “書くことは深いところに重心がある”―『機関助士』以降の日記と手紙―
Ⅲ 出口のない“流れ”
1 朝の交通に遅れた者たち―『失踪者』と『変身』―
2 階段を上り続ける者たち―『審判』と『狩人グラックス』―
Ⅳ ‶書くこと″と内省
1 よそ者と女たち―『城』―
2 物思いにふける動物たち―『ある犬の研究』と『巣穴』―
第二部 〈あなた〉との出会い
Ⅴ もう一つの転機
1 一九一一年の日記
2 架空の語り手と架空の受け手
Ⅵ ‶お前と世界との戦いでは、世界の味方をしろ″
1 語り手の眼差し―『新人弁護士』―
2 語り手への眼差し―『ある学士院への一通の報告書』―
3 〈小さな文学〉の誕生
Ⅶ 語っているのは誰なのか―『断食芸人』、『最初の苦悩』、『小さな女性』―
1 匿名の語り手―『最初の苦悩』と『断食芸人』―
2 つきまとわれる語り手―『小さな女性』―
Ⅷ 彼女が〈私たち〉と言うとき
1 生前発表作品における〈私たち〉の転換
2 カフカの創作ノートに残された〈私たち〉
3 〈私たち〉の小さな音楽―『歌手ヨゼフィーネもしくはネズミ族』―
結論
あとがき
参考文献
索引