からだは語る

からだは語る

出版社: 木立の文庫
著者: A. レマ、鍛冶美幸、村井雅美
  • 美容整形や身体改造、倒錯的な性行動、ネット世界での耽溺を苦悩の「無痛」化と見て、“からだの痛み”から動きだす再生の道を探る。
  • 昨今では一般的になった美容整形や身体改造、倒錯的な性行動、ネット世界での耽溺といった行動のなかに、みずからの“苦悩”を「無痛」化する作業を見てとる。そして、“からだの痛み”から動きだす心の再-創造の道を探る。
  • 昨今、美容整形手術/施術は一般的になりつつあり、ジェンダー・アイデンティティにまつわる議論も活発に交わされています。そうしたなか本書は、心の器としての“からだ”を介して“わたし”が再-創造されていく様を、多くの実例からビビッドに描きます。――本書の登場人物は、美容整形や身体改造、倒錯的な性行動、ネット世界での耽溺、排泄行為などの、自らの“苦悩”を「無痛」化する作業に囚われています。そして、こうした行動では癒されないとわかった時、かれらは「心と対話する」相談室の門を叩くのでした。
  • 序 章◆身体が語るとき 
       ・体現化された自己
       ・ふたつの身体を心に留めて
       ・相談室のなかの身体
       ・母 体
    第1章◆羨望と母体――美容整形の精神力動 
       ・現代の美容整形
       ・母親にまつわる風景
       ・自己-製空想
       ・再生空想
       ・完全一致空想
       ・現実をつくり直す
    第2章◆いったい、誰の皮膚なのか?――屍姦幻想の精神的機能
       ・カウチの上の身体
       ・わたしの母の家で
       ・皮膚と屍姦幻想
       ・自分の皮膚のなかで生きる 
    第3章◆純粋な決定の秩序――仮想世界で成長する
       ・テクノロジカルな体現化の誘惑と危険
       ・思春期の身体/精神病空間に浮かぶ仮想身体
       ・ノーボディであること
       ・仮想空間における身体の運命
    第4章◆過去なき現在――思春期の性別移行における時間的統合
       ・カップルの時間
       ・雲の上で生きる
       ・時間的つながり
    第5章◆もって生まれた身体と、自分そのものである身体
       ・カウチから出て
       ・体現化された自己と、見られるという体験
       ・自分自身にくつろいで
       ・トランスセクシュアルの心に至る道
    第6章◆トラウマと身体――映画 《私が、生きる肌》
       ・喪失に対する倒錯
       ・良い対象が生き残ること
    第7章◆分析家の身体と設定――体現化された設定と共生的転移
       ・体現化された設定と共生的転移
       ・身体的な逆転移と「警告の物語」
       ・最初の二年間
       ・要するに
       ・共生、分析家の身体
    第8章◆ラプンツェル再考――髪の無意識的意味
       ・髪にまつわる物語
       ・髪の精神的なルーツ
       ・もっとも露出した身体的境界
    第9章◆カウチから離れて――分析家のトイレの心理的な使い方
       ・トイレと秘密――隠匿と分泌物
       ・トイレット・ブレストとしての分析家のトイレ
    第10章◆自己の起業家たち――変身リアリティ番組の精神的・社会的機能
       ・自己の再創造
       ・プロジェクトとしての身体
       ・変身リアリティ番組の残忍さ
       ・完全な監視状態
       ・まなざしの倫理

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