もの想うこころ
出版社: 木立の文庫
- 千差万別の《生きづらさ》にどう向き合うかが課題の今日。あらゆる心理支援に通底する《共感》のダイナミクスを、四人の声で物語る。
- こころのケアがますます求められる現代社会では、千差万別の《生きづらさ》にどう向き合うかが大きな課題となります。本書では、あらゆる心理支援に通底する《共感》の内なるダイナミクスが、生の声をとおして物語られます。
- 「奥歯の小さな穴ひとつにこころが詰まっている」
病気になると私たちは、そのことでこころが一杯になってしまいます。
そんな“からだの傷み”に溢れてしまった時、私たちは、
その現実を受け入れて立ち向かおうとするこころを、どこに得ることができるでしょう?
からだの傷みから沁み出る“こころの痛み”。
その苦悩をいっしょに理解しようとしてくれる人がどこかに居てくれると、
奥歯の穴という「とてつもない不幸」が、なんとか抱えられる不幸になる。
そんな経験を私たちは皆、もっているのではないでしょうか?
*** ***
それでは、目の前に「こんがらがった苦しみ」にさいなまれている人が居るとき、
私たちには何ができるでしょう?
苦しみへの寄り添い方として、巷ではいろいろなアプローチが紹介されていますが、
この本では、新しい《共感》の可能性を、読者とともに捜します。
“記憶のはるか彼方にある情景”が浮かびあがり、その情景が二人のあいだで共有されるとき、
《生きづらさ》を生きる力が得られる。
——そうしたテーマをめぐって紡がれた
『からだの病いとこころの痛み』〔木立の文庫, 2019年〕のエッセンスを、
「四人」とのあいだの“内なるドキュメンタリー”として物語るのが、この本です。 - プロローグ:記憶の彼方に秘められた……
第一話 明日香
名づけられなかった声
第二話 みちる
絶たれた声
第三話 真 紀
出てこない声
第四話 理 香
寄る辺ない声
エピローグ:秘められた体験に耳を傾ける