
予期せぬ変動と明治維新
出版社: 有志舎
- 巨大な社会変動に見舞われた幕末維新期の日本で人々はいかにして生きていったのか。予期せぬ変動に目を凝らす中から見えてくる新しい明治維新史像を提示。
- 明治維新は、当時を生きた人々にとって、相次ぐ予期せぬ変動とそれへの対応の連続であった。政治・経済はもとより、社会の在り方や人間同士の結びつき方に至るまで、あらゆる変動が続くなかで、列島に住むほとんどの者が何らかの想定外の対応をとることを余儀なくされた。本書は、政治・社会における大きな変動に直面した様々な人々が、それにどのように対応し、激動期を生きていったのかを描き出していく。予期せぬ変動の頻発する現代を生きる私たちも、先人から多くを学べるだろう。
- はじめに 明治維新史学会
Ⅰ 激動の政局とその対応
一 万延・文久期における浪士の横浜襲撃問題と沿岸取締体制 神谷大介
二 「正議」の実践―戊辰戦争期における秋田藩の政治的環境― 天野真志
三 明治初年 武州金沢藩(六浦藩)の藩政改革 小林紀子
―目付日記の分析を中心に―
Ⅱ 社会の変動に直面する人々
四 幕末期幕領における「取締役」制の展開 岩城卓二
五 幕末維新期の地域経済と領主―畿内・近国地域を中心に― 東野将伸
六 士族の家計簿―旧大和郡山藩士吉田家を事例に― 内山一幸
Ⅲ 「予期」と「変動」
七 山城国およびその周辺地域の「郷士」と「予期せぬ変動」 𠮷岡 拓
―一つの近世身分制解体論として―
八 予期された廃藩置県とその想定外 池田勇太
あとがき 論集編集委員会
