模索するロシア帝国

模索するロシア帝国

出版社: 大阪大学出版会
著者: 竹中 浩
  • ロシアはいかなる条件のもとで大国の地位を築いたのか。日露戦争までの40年間のヴィッテを中心とした政治思想を読み解く。
  • ロシアはいかなる条件のもとで大国の地位を築いたのか。日露戦争までの40年間のヴィッテを中心とした政治思想を読み解く。近代化を西欧化と同一視しがちであった従来の見方も反省しこれまで詳細につづられていない姿を問う。
  • ロシアはいかなる条件のもとで大国の地位を築いたのか。日露戦争までの40年間のヴィッテを中心とした政治思想を読み解く。日本では19世紀末のロシアについて日露戦争の前史にあたることから、戦争における日本の勝利を必然かつ正当とみなすため、およそ正確とは言い難いイメージが広く行き渡っている。近代化を西欧化と同一視しがちであった従来の見方も反省し、これまで詳細につづられてこなかった姿を問う。
  • 序論
    一 対象とする時代
    二 本書の視覚
    三 本書の構成と資料
    第一章 前提
    第一節 ナショナリズムと保守的論壇
    一 ロシア・ナショナリズム  /ニ アレクサンドル二世時代の保守的言論/三 汎スラヴ主義と露土戦争
    第ニ節 アレクサンドル三世の時代
    一 アレクサンドル三世とロシアの対外関係  /ニ ヴィッテの登用
    第ニ章 地方自治と立憲主義
    第一節 アレクサンドル二世時代のゼムストヴォと立憲主義
    一 ゼムストヴォ開設と首都の立憲主義  /二 租税問題と立憲主義  /三 ゼムスキー・ソボール
    第二節 反改革とヴィッテ体制
    一 反改革と貴族  /二 ヴィッテ体制と経済対立  /三 貴族問題
    第三節 ゴレムィキン内相期におけるゼムストヴォ論
    一 国家行政機関とゼムストヴォ  /二 食糧供給と全身分的郷  /三 救貧に対する責任と財政負担  /四 県ゼムストヴォの主導
    第四節 ゼムストヴォ導入地域の拡大をめぐる論争
    一 ゴレムィキンの提案  /二 ヴィッテの批判  /三 その後  
    小活
    第三章 宗教政策における法治
    第一節 公認宗教とセクトの間
    一 公認宗教としてのルター派教会  /二 公認宗教以外の信仰  /三 宗教的寛容とシュトゥンディスト  /四 セナートと内務省
    第二節 ロシア化の手段としての刑事罰
    一 ナショナリズムの標的としてのバルト・ドイツ人  /二 バルト・ドイツ人批判と行政的ロシア化  /三 アレクサンドル三世時代の宗教・教育政策  /四 その後
    第三節 兵役忌避と国外移住―メノナイトとドゥホボール―
    一 メノナイトの北米移住  /二 ドゥホボールによる「違法」行為の処分  
    小活
    第四章 ロシア帝国と東アジア
    第一節 満洲横断鉄道の敷設
    一 一八八〇年代の露清関係とシベリア横断鉄道構想  /二 満洲における鉄道の敷設  /三 黄海へのアクセスと関内外鉄路  /四 その後
    第二節 ジャーナリズムと中国問題
    一 中国問題の出現  /二 租借における中国分割  /三 義和団事件  /四 英独協定とロシアによる満洲占領  /五 その後
    第三節 移民問題と黄禍論
    一 問題の所在  /二 黄禍論  (一)英米の黄禍論(二)ロシアの黄禍論/三 東アジア諸国からの移民  (一)アムール州における清国人居留地(二)沿海州における中国人居留地(三)ウンテルベルゲル総督の朝鮮人移民対策
    小活
    結び
    あとがき
    参考文献

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