ハビタ・ランドスケープ

ハビタ・ランドスケープ

出版社: 木楽舎
著者: 滝澤恭平
  • 自然と人為の相互作用が生み出すランドスケープとはなにか? 土地に蓄積された人間と環境の歴史が織り成す、37 地域を巡る物語。
  • まちづくりの探求者が人の棲む風景を味読すると、風土の実相が鮮やかに見えてきた。
    ―東京工業大学名誉教授 中村良夫( 景観学者)
    日常にある風景の断片に潜む、思いもよらぬ物語と出会う瞬間がある。
    人が棲むために土地と関わり、自然と人為の相互作用の中で生まれてきた風景のなかで、我々はどのようにその地域を棲みこなしてきたのだろうか。
    本書は日本37箇所の地域を歩き、様々な場所の声を感じながら、生物の生息環境である「ハビタット」(habitat) と、人間が生息するランドスケープ(landscape)を紡ぎだす物語である。
    人間は風景のうちに棲み、風景をまた作り上げる存在である。人間と環境の相互関係により生み出された風景のあり方に「ハビタ・ランドスケープ」という名前を与えてみた。それは、生物の生息環境である「ハビタット」(habitat)という生態学の用語と、風景や土地を示す「ランドスケープ」(landscape)という言葉を合わせた私の造語である。(中略)では、人間という種は、どのようなランドスケープに棲み、どのようにランドスケープを棲みこなしているのだろうか。 ーー本文より
  • はじめに
    1章「信仰と風景」
    山辺の道     大物主神と祭祀の始まり
    対馬       ムスビの島
    祓川・高原町   霧島火山と神舞
    青梅・奥多摩   オオカミが棲む森と里の風景
    富士山      火山と信仰の原点
    遠野       民話が生きる風土
    2章「江戸・東京の履歴」
    隅田川      江戸のハビタット
    目黒       水と崖の原風景
    港区       異界との接点都市
    渋谷       渋谷の地下水脈をゆく
    神田川      台地と低地のジオ・ポリティクス
    3章「地域に根ざす」
    小泉       生命と社会基盤
    近江八幡・針江  琵琶湖湖西・湖東編
    海津・木之本   琵琶湖湖北編
    鳥羽・志摩    海女と真珠養殖家の海
    福島市・二本松市 みんなで地域を守る
    4章「水辺ランドスケープ」
    手賀沼      白樺派たちの手賀沼
    渡良瀬遊水地   ウェットランドの住民たち
    水元公園・江戸川 江戸の水郷景観の現在。絶滅危惧種とセシウム
    東京湾      埋め立ての履歴
    多摩川      左岸と右岸の流域史
    大阪       水の都のソーシャルデザイン
    5章「アーバン・ネイチャー」
    東山       生物多様性フラクタル都市・京都
    夙川・芦屋    海と山のあいだのモダン都市
    狭山丘陵    「緑の島」の地質学的時間とヒトの時間
    皇居       東京のグリーン・マトリックス
    6章「ジオ・トリップ」
    秩父       地球の足跡を巡礼する
    三浦半島     半島と海洋国家日本
    伊豆大島     波間の椿
    狩野川・駿河湾  源流から海底へのグランドツアー
    秋葉街道     中央構造線を行く
    秋川渓谷・檜原村 尾根に暮らす人たち
    伊豆半島南部   早春の南伊豆
    7章「自然再生と市民力」
    七ヶ浜・蒲生   市民のための防潮堤へむけて
    国立市      まちなかの湧水と用水
    落合川      市民の川
    善福寺川     都市の川を里川に変える夢
    あとがき

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