十字軍国家の研究 エルサレム王国の構造

十字軍国家の研究 エルサレム王国の構造

出版社: 名古屋大学出版会
著者: 櫻井 康人
  • 〈キリスト教対イスラーム〉を超えて、多様な人々からなる社会の全体像へ――。精緻な史料分析により初めて解明。
  • 〈キリスト教対イスラーム〉を超えて、多様な人々からなる社会の全体像へ――。精緻な史料分析により「聖地防衛国家」の姿を初めて解明した画期的労作。
  • 〈キリスト教対イスラーム〉を超えて、多様な人々からなる社会の全体像へ――。第1回十字軍によって生まれた「聖地防衛国家」は、内と外の異教徒とともになぜ存続しえたのか。祈る人、戦う人、働く人が都市と農村で形づくる王国の姿を、ヨーロッパとの関係も含め、精緻な史料分析から初めて解明した画期的労作。
  • 凡 例
    全体地図

    1 聖地周辺域の十字軍国家略史
    2 十字軍国家の構造に関する全体的な研究史
    第I部 祈る人――教会人たち
    第1章 教会形成と王権
    1 先行研究と問題の所在
    2 教会創設とそれに伴う司教の選出
    3 教会制度の確立過程と王権――聖墳墓教会を中心に
    4 エルサレム・アンティオキア総大司教区の境界問題
    5 小 括
    第2章 国王戴冠と司教任命
    1 エルサレム王国に関する年代記史料
    2 国王戴冠とその意味
    3 国王と司教任命
    4 小 括
    第3章 国政面における王権と教会
    1 内政面に見る国王と聖職者の関係の推移――証書史料の分析より
    2 外交面における聖職者の役割
    3 王権と結び付く聖職者たち――エルサレム王国における「移動」の意味
    4 小括――「封建王国」モデル・「聖地防衛国家」モデルの限界と可能性
    5 後期エルサレム王国の状況点描
    第4章 一三世紀の聖地周辺域における托鉢修道会士の活動
    1 ムスリムの改宗の実態
    2 キリスト教徒への回心活動
    3 小括
    4 補――『ジャン・ディブランの書』に見るエルサレム王国軍
    第II部 戦う人――騎士修道会、およびフランク人に仕えた現地人たち
    第5章 聖ヨハネ修道会の「軍事化」に見る国制構造の変化
    1 研究史と問題の所在
    2 修道会長の称号の変遷
    3 副署人リストに見る聖ヨハネ修道会の認識の変化
    4 所領獲得状況の推移
    5 防衛要素から攻撃要素へ
    6 小 括
    第6章 騎士修道会と国王宮廷会議
    1 国王宮廷会議と騎士修道会
    2 国王宮廷会議に列席する騎士修道会士たち
    3 聖ヨハネ修道会とテンプル騎士修道会との比較
    4 小 括
    第7章 騎士修道会の発展
    1 条約締結権
    2 有力者との関係に見る政治的役割の展開
    3 エルサレム王国の会議・集会と騎士修道会
    4 小 括
    第8章 フランク人に仕えた現地人たち
    1 叙述史料に現れる者たち
    2 国王宮廷サークルの一員となった者たち――証書史料の分析(1)
    3 領主となった者たち――証書史料の分析(2)
    4 トゥルコポーレース――証書史料の分析(3)
    5 小 括
    第III部 働く人(1)――ブルジョワと都市社会
    第9章 前期エルサレム王国における都市統治構造
    ――都市エルサレムのブルジョワを中心に
    1 研究史と問題の所在
    2 都市エルサレムのブルジョワと都市行政
    3 国王会議とブルジョワ
    4 小 括
    第10章 十字軍国家における都市統治構造
    1 都市アッコンのブルジョワ
    2 都市エルサレム・アッコン以外のエルサレム王国の都市行政
    3 アンティオキア侯国およびトリポリ伯国における都市行政
    4 小 括
    第11章 「医者」から見る都市社会の構造
    1 叙述史料の分析
    2 法書史料の分析
    3 証書史料の分析
    4 小 括
    第12章 ヨーロッパ商業都市と十字軍国家
    1 ハッティーンの戦いまでの状況
    2 ハッティーンの戦いからロンバルディア戦争終結までの状況
    3 ロンバルディア戦争終結以降の状況
    4 「封建家臣」となった者たち
    5 小 括
    第IV部 働く人(2)――フランク人と農村社会
    第13章 「ナブルス逃亡事件」とその背景
    1 史料および補足説明
    2 戦争による農村運営への影響
    3 農村世界の変容――フランク人人口の増加と「新村」の創設
    4 小 括
    第14章 十字軍国家における農村支配
    ――通訳官・書記官・ライース
    1 フランク人支配領域に残留する農民たち
    2 「下級役人」に関するカエンとライリー=スミスの成果
    3 フランク人と農村を繋ぐ媒介者たち
    4 小 括
    第15章 フランク人による農村支配の変容とほころび
    ――マルシリオ・ゾルジの『報告書』を手がかりに
    1 『報告書』作成の目的
    2 ティール市内の模様
    3 ティール領のトポグラフィー
    4 ティール領内の農村における現地人支配
    5 小括――現地人支配のほころび:分割所有の功罪
    第16章 フランク人による農村支配の限界
    1 フランク人による農村支配の変容
    2 バイバルスによるフランク人と農村との切り離し政策
    3 一二八三年の条約に見るアッコン領内の農村支配
    4 一二八五年の条約に見るティール領内の農村支配
    5 「新参者」による農村への攻撃
    6 小 括

    あとがき
    家系図・付表

    参考文献
    図表一覧
    索 引
  • 櫻井康人著;0201;01;〈キリスト教対イスラーム〉を超えて、多様な人々からなる社会の全体像へ――。精緻な史料分析により初めて解明。;20200701

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