民主化と労使関係

民主化と労使関係

出版社: 京都大学学術出版会
著者: 水野 広祐
  • 協議か,法か,大衆行動による「問題解決」か—権威主義崩壊後の労働法制改革の実態に,植民地期に遡る資料と緻密な臨地調査から迫る
  • 協議か,法か,大衆行動による「問題解決」か。権威主義崩壊後,労働法制が改革されたインドネシア。団結権や行動権はどこまで確保され,法はどこまで執行されているのか。植民地期に遡る資料と緻密な臨地調査から実態に迫る。
  • 権威主義崩壊後,労働法制が改革されたインドネシア。その実態はどうか? 団結権や行動権はどこまで確保され,法はどこまで執行されているのか。植民地期に遡る資料の渉猟と緻密な臨地調査を併せることで,労働運動のみならず広くインドネシア社会を特徴付ける,ムシャワラー(合議)と,一方での時に暴力を伴う行動主義の源流を探る。
  • 序章 「合議」と「全員一致」原則の現実と行方
    1.権威主義後の労使関係の力学を探る
    2.既存研究のサーベイ
    3.本書の目的
    4.方法
    第1章 植民地期の労働問題と労働法
    1.労働者保護法――企業・使用者保護?あるいは労働者保護?
    2.集団的労働関係法
    コラム 奴隷制度と賦役労働
    3.植民地期の労働運動と労使紛争
    小括
    第2章 独立後スカルノ期の労働法制と労使紛争処理
    1.スカルノ期の労働法制と労働運動
    2.スカルノ期の労使紛争処理の実際
    小括
    第3章 スハルト政権下の労働法制と労使紛争処理
    1.スハルト期前期の労働法制と労働運動
    2.スドモ労働大臣期
    3.ポストスドモ大臣の労働政策
    4.スハルト期の労使紛争処理の実際
    小括
    第4章 改革期の労働政策と労使組織
    1.民主化期の労働政策
    2.労働組合と使用者団体
    3.新組合の結成と労組活動
    小括
    第5章 改革期初期の労使紛争処理事例――激烈な紛争と大量解雇
    1.D社と労使紛争の概況
    2.D社労使紛争の特質――「合議」の質
    3.「合議」を支える制度と運用
    小括
    第6章 安定的労使関係の創出事例
    1.労使紛争事例の概況
    2.労使関係のルール・戦略と労使関係安定化
    3.小括
    4.補論――労働者の不満と賃金問題:組合員アンケートの結果から
    第7章 2003年労働力に関する法律第13号
    1.解雇をめぐる諸規定
    2.ストライキをめぐる規定
    3.アウトソーシングをめぐる問題
    4.反労働者抑圧委員会を中心とするグループによる,憲法裁判所への司法審査請求
    5.2003年労働力に関する法律第13号に対するその後の憲法裁判所への司法審査請求
    小括
    第8章 インドネシアの労使紛争処理制度改革――2004年労使紛争処理に関する法律第2号を中心に
    1.2004年労使紛争処理に関する法律第2号の成立過程
    2.2004年労使紛争処理に関する法律第2号の規定する労使紛争処理制度
    3.新しい制度の積極面と問題点
    小括
    第9章 労使関係裁判所制度下の労使紛争処理
    1.ストライキ権の解釈とその制限――A社の労使紛争
    2.戦略的ストライキの例
    3.ストライキと団結
    4.労使関係裁判所に依存しない紛争処理――労使関係裁判所の認証ぬきの大量解雇
    小括
    第10章 グルブック・パブリク「工場捜査」労働攻勢とアウトソーシングおよび有期労働契約問題
    1.アウトソーシング・有期労働契約とグルブック・パブリク
    2.A社におけるグルブック・パブリクと会社の対応
    3.労働攻勢と敵対的労使関係――司法制度と弁護士の役割
    小括
    第11章 労働運動の発展と労使紛争処理制度
    1.労働運動の発展
    2.労働監督制度と労使紛争処理制度
    小括
    終章 ムシャワラー・ムファカットと行動主義
    参考文献
    附表
    組織名など略称一覧
    関係法令一覧
    索引

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