プラトン『ティマイオス』註解
出版社: 京都大学学術出版会
- 西欧中世に伝わったほぼ唯一のプラトン作品『ティマイオス』のラテン語訳者が自らの翻訳に付した註解。古代と中世の仲介の書。
- 中世において『ティマイオス』のラテン語訳は、西欧で直接に読めるほぼ唯一のプラトン作品だった。本書は、そのラテン語訳者が自らの翻訳に付した註解で、これにより彼は異教哲学とキリスト教思想の仲介者になったと評される。
- 中世において『ティマイオス』の重要性が決定的となったのは、十二世紀半ばまで、同書のラテン語訳こそが西欧で直接に読めるほぼ唯一のプラトン作品だったからである。本書は、そのラテン語訳者カルキディウスが自らの翻訳に5倍余りの分量で付した註解であり、古代末期のプラトン主義の様相を窺わせると同時に、古代の哲学的議論を中世前期へ伝えた数少ない文献の一つとしても貴重である。
- 書 簡
第一部
序 論
第一章 宇宙の生成について
第二章 魂の誕生について
第三章 調和あるいはハルモニアについて
第四章 数について
第五章 恒星と惑星について
第六章 天について
第二部
第七章 生き物の四つの種族について
第八章 人類の誕生について
第九章 人間の多くは賢いが、賢くない人もいる理由
第十章 視覚について
第十一章 映像について
第十二章 視覚の賛美
第十三章 質料について
解 説
固有名詞索引/事項索引