多様性〈いろいろ〉と凝集性〈まとまり〉の社会学

多様性〈いろいろ〉と凝集性〈まとまり〉の社会学

出版社: 太郎次郎社エディタス
著者: 岡本 智周
  • 「多様性の尊重」と「凝集性の確保」の両立は、いかにしてなされるか。
    共生社会をめぐる問題系を明らかにし、社会制度のありようを考える。
     *
    多様性の尊重が掲げられるなかで、なぜ対立と分断に拍車がかかるのか。
    「まとまり」への志向は、なぜ容易にナショナリズムに回収されるのか。
    シニシズムとナショナリズムをかいくぐり、
    共生社会を支える「凝集性(まとまり)」の
    新たな創出に向かう理路を検討する。
  • 本書のねらい──シニシズムとナショナリズムを掻い潜る◉岡本智周
    第1章 共生をめぐる論点──社会的凝集性を問う理由◉岡本智周
     1. 共生の語られ方
     2. 共生の概念規定
     3. 共生をめぐる今日的論点
    第2章 社会的凝集性の系譜──社会学における概念史◉秋葉亮
     1. 集団を自然化、理想化する危険性
     2. 社会的次元において凝集性を見る
     3. いかにして、社会学は国民国家を自然な社会とみなしたか
     4. 国民国家の自然化、理想化を乗り越えて
    第3章 「共生」の英語訳を考える──現実の人間社会に根差して◉坂口真康
     1. 日本社会以外を想定した「共生」の英語訳
     2. 英語圏における「多様性の尊重」と「社会の凝集性」
     3. 現実の社会における人びとの「共生」を想定したさいの英語訳
     4. 英語圏の個別具体的な事例でみる“living together”
     5. 不安定な社会状況のなかで“living together”としての「共生」がもつ意味
    コラム① 共生社会と「対話」◉笹野悦子
    第4章 多文化共生言説の構造──外国人の排除はいかにして生じるか◉永島郁哉
     1. 非共生的な多文化共生政策?
     2. 主体・中心たる日本人と、客体・周縁としての外国人
     3. 道具化される多様性
     4. 多文化共生概念の隘路と可能性
    第5章 「国民」概念の見直しがもたらす共生の可能性──沖縄「先住民族論争」を事例に◉熊本博之
     1. ネイションをめぐる葛藤
     2. アイデンティティをめぐる沖縄の歴史
     3. 先住民族論争から見えてくるもの
     4.「国民」「国民国家」の見直しによってもたらされるもの
    コラム② 知識は他人と共有するからこそ意味がある◉岡本智周
    第6章 「選抜の機会」としての学校教育を問いなおす──メリトクラシーの諸問題◉津多成輔
     1. 選抜・配分が強化された社会
     2. 日本のメリトクラシーの問題
     3. 共生社会論に照らしたメリトクラシーの問題
    コラム③ 「学校選択の自由」と高校白書づくり運動◉池本紗良
    第7章 社会的凝集性をどう確保するか──公設フリースクールの事例から◉小山田建太
     1. 問題の所在──社会的凝集性を事例から問う
     2.「むすびつくば」と親子の姿
     3. 保護者は「むすびつくば」をどうとらえたか
     4. 凝集的な共生関係を考える
    おわりに──本書の結論と次なる課題◉岡本智周

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