司法通訳人という仕事 知られざる現場
出版社: 慶應義塾大学出版会
- 司法通訳人、司法通訳人として登録されている方、司法通訳を通じて刑事実務に携わる方に、司法通訳のあり方と現状の問題点を解説。
- 司法通訳人を目指している方、すでに司法通訳人として登録されている方、そして弁護士・捜査官をはじめとして司法通訳を通じて刑事実務に携わる方に向けて、司法通訳のあり方と現状の問題点を解説する。
- ――良心に従って
誠実に通訳することを誓います
法廷における通訳人の仕事は正しく歌舞伎における「黒子」である。
黒子であるからこそ司法通訳にはプロフェッションとしての仕事が求められる。 - はじめに
Ⅰ 司法通訳とはどのような仕事か
1 司法通訳の制度 2 「第一言語」とは何か?
3 通訳の正確性と公平性
Ⅱ プロフェッションとしての司法通訳
1 言葉の「置換」か「解説」か 2 現場における通訳人の任務
3 留置施設における国選弁護人の通訳 4 検察官の通訳
5 法廷における通訳 6 公判の通訳と捜査の通訳との違い
7 捜査実務側が求める通訳人の在り方 8 法廷側が求める通訳人
の在り方
Ⅲ 来日外国人犯罪、刑事手続きの現状
1 起訴前手続きの特色と「接見同行通訳人」の重要性
2 刑務所イメージと勾留 3 「反省」とリハビリテーション
4 我が国における刑罰の持つ象徴的な役割
Ⅳ 司法通訳人に法律知識は必要ないのか?
1 法律知識教育の必要性 2 分かり合えない感覚
3 法律用語の理解と齟齬 4 「相互の信頼感」がもたらす影響
5 法の背景にある文化の複雑さ 6 司法通訳人に求められること
Ⅴ イメージの違い、厳密な通訳に必要なこと
1 我が国の刑事司法は「異色」か? 2 ステレオタイプからの脱
却 3 「正義」の違い? 4 「警察官」・「検察官」イメージ
の隔絶 5 「真実」は一つ?
Ⅵ グローバル化する社会と司法、司法通訳の能力向上のために必要なもの
1 『法廷通訳についての立法提案に関する意見書』 2 法廷通訳
人に求められるべき「質」──日米の違い 3 米国法廷通訳人に求
められる通訳能力 4 警察・検察・裁判所をつなぐ試み 5 グ
ローバル化が刑事司法・要通訳事件に与える影響 6 本書の結びに
かえて
注
主要参考文献
あとがき