マンガの認知科学
出版社: 北大路書房
- 私たちはマンガをどうやって理解するのか? 認知科学的検証でマンガ読解の仕組みのカギ「ビジュアル言語」構造を探る入門書。
- 私たちはマンガをどうやって理解するのか? 認知科学者でもありコミック作家でもある著者が,言語学,認知心理学,認知神経科学,比較文化学による検証を通じ,マンガ読解の仕組みのカギとなるビジュアル言語の構造を探る。
- 私たちはマンガのストーリーをどうやって理解しているのか? 絵は言語としてどのように働くのか? マンガを形づくる「ビジュアル言語」の理論を,米国の認知科学者兼コミック作家の著者が提唱。言語学,認知心理学,認知神経科学,比較文化学による検証を通じ,マンガ読解の仕組みのカギとなるビジュアル言語の構造を探る。
認知科学と言語学によるマンガ論の新領域!
漫画家かつ研究者ニール・コーン氏の力技に震撼する。
日本のマンガ研究界はどう受け止めるか?
夏目房之介(マンガ・コラムニスト)
【主な目次】
第1章 ビジュアル言語入門
●第1部 ビジュアル言語の構造
第2章 ビジュアル語彙〈1〉――ビジュアルな形態
第3章 ビジュアル語彙〈2〉――コマと構文
第4章 ビジュアル言語文法――物語構造
第5章 コマの配置構造による視線誘導
第6章 ビジュアル言語の認知
●第2部 世界のビジュアル言語
第7章 アメリカのビジュアル言語
第8章 日本のビジュアル言語
第9章 中央オーストラリアのビジュアル言語
第10章 等価原理 - 日本の読者の皆さんへ
序
第1章 ビジュアル言語入門
「ビジュアル言語」とは何か?
ビジュアル言語の構造
本書の概観
第1部 ビジュアル言語の構造
疑念1――コマは恣意的なサインではない
疑念2――コマの体系的な語彙はない
第2章 ビジュアル語彙〈1〉――ビジュアルな形態
ビジュアル語彙
開放系語彙項目
スキーマの連結/結論
閉鎖系語彙項目
拘束形態素・接辞付加/補充・ウムラウト/重複
結論
第3章 ビジュアル語彙〈2〉――コマと構文
コマの一定性
補充コマ/コマのテンプレート/注意単位としてのコマ
ビジュアル言語の構文
マルチモーダルな構文
結論
第4章 ビジュアル言語文法――物語構造
コマの系列を理解するための三つの考え
1.コマの推移/直線的な一貫関係 / 2.雑多な推移 / 3.一般的認知スクリプトスキーマ/結論
基本的物語カテゴリー
ピーク/開始/解放/確立/延長/定位/要約
ビジュアル物語の構成素構造
修飾/要約
談話と映画
結論
第5章 コマの配置構造による視線誘導
コマ配置の問題
コマの配置構造のバリエーション/コマの配置構造の理解
コマの配置構造の制約
埋め込み構造/記述的ツリー構造/無限のキャンバス
結論
第6章 ビジュアル言語の認知
グラフィック形態
動線/キャリア
物語文法
物語カテゴリー/構造と意味の分離/構成素構造/ビジュアル物語と脳
流暢性
第2部 世界のビジュアル言語
第7章 アメリカのビジュアル言語
グラフィック構造
アメリカの主流のビジュアル言語――カービアン/カートゥーン系のアメリカのビジュアル言語――バークシアン/インデペンデント系のアメリカのビジュアル言語/芸術観点と言語観点
形態
物語文法
言語なのか方言なのか
第8章 日本のビジュアル言語
グラフィック構造
形態
物語文法
ビジュアル言語文法の違い
日本と海外での影響
ビジュアル言語の伝播/言語接触
第9章 中央オーストラリアのビジュアル言語
文化的役割
グラフィック構造
空間定位
語彙と形態
静的サイン/動的サイン
物語文法
消去/物語構造/系列的制約
文化と構造との出会い
第10章 等価原理
その他の研究領域
結語
訳者あとがき
索引
原註
参考文献
画像出典