アメリカ憲法理論史 その基底にあるもの
出版社: 北大路書房
- 米国で最も影響力ある憲法・政治哲学者ブルース・アッカマンの主著,待望の邦訳。二元的民主政論により米憲法史を可視化。
- 現代アメリカで最も影響力のある憲法・政治哲学者の1人,ブルース・アッカマンの主著 We the People 1巻の待望の翻訳。二元的民主政論(通常政治と憲法政治の二種類の組合せ)により米憲法史を可視化。
- 現代アメリカで最も影響力のある憲法・政治哲学者の1人,ブルース・アッカマンの主著 We the People 1巻の待望の翻訳。アメリカ合衆国憲法の歴史を「二元的民主政」(通常政治と憲法政治の二種類の組合せ)として把握することで最もよく理解できるとする理論的枠組みを提示し,憲法過程を可視化した。
【主な目次】
●第I部 合衆国憲法を発見する
第1章 二元的民主政
第2章 制憲200年の神話
第3章 一つの憲法、三つの憲法体制
第4章 中期共和政
第5章 現代共和政
第6章 解釈の可能性
●第II部 ネオ・フェデラリズム
第7章 パブリアス
第8章 失われた革命
第9章 通常政治
第10章 高次法形成
第11章 なぜ二元的民主政か? - 日本語版への序文
謝辞
凡例
第Ⅰ部 合衆国憲法を発見する
第1章 二元的民主政
Ⅰ─ 内を見つめて?
Ⅱ─ 基本的なアイディア
Ⅲ─ 一元的民主政
Ⅳ─ 権利基底主義者
Ⅴ─ 歴史主義
1 アメリカ的「バーク主義」のパラドックス 2 共和主義の復権
Ⅵ─ 結論
第2章 制憲200年の神話
Ⅰ─ 哲学から歴史へ
Ⅱ─ 遠い過去
Ⅲ─ 憲法の過去のかたち
1 従来の物語 2 修正主義の物語
Ⅳ─ 再建期
Ⅴ─ ニューディール
Ⅵ─ 過去から現在へ
Ⅶ─ 結論
第3章 一つの憲法,三つの憲法体制
Ⅰ─ 憲法体制という視点の導入に向けて
Ⅱ─ 初期共和政のフェデラリストの憲法体制
1 建国期のスキーム 2 ジェファソン,ジャクソン,そして違憲審査制の台頭
第4章 中期共和政
Ⅰ─ 憲法の理念,制度の現実
Ⅱ─ 最高裁判所 憲法統合の問題
1 二つの安易な解答 2 変革的な憲法修正─そして,それらを統合する方法
Ⅲ─ 法の道
Ⅳ─ 中期共和政を再解釈する
Ⅴ─ ニューディールを再考する
第5章 現代共和政
Ⅰ─ 憲法の理念,制度の現実
Ⅱ─ 高次法形成における大統領のリーダーシップ
Ⅲ─ 最高裁
1 法の道 2 問題の三角法的分析
Ⅳ─ 過去を保持すること Carolene Products判決,そして,その先に
1 なぜ,脚注だったのか? 2 個別主義的な憲法統合 3 「特定的な禁止事項」 4 財産から民主主義へ
Ⅴ─ 結論
第6章 解釈の可能性
Ⅰ─ 事件に取り組む
Ⅱ─ 憲法政治の一幕としてのBrown判決とGriswold判決
Ⅲ─ 預言か保存か?
1 憲法統合,再訪 2 入口の問題
Ⅳ─ 解釈的憲法統合としてのBrown判決
1 積極主義国家におけるPlessy判決の前提 2 Brown判決とBrown裁判官
Ⅴ─ Griswold判決を解釈する
1 Griswold判決と契約の自由 2 憲法統合に対するGriswold判決のアプローチ 3 コーラス──同意意見と反対意見
Ⅵ─ Brown判決からGriswold判決へ,そして
Ⅶ─ 憲法統合と解釈
Ⅷ─ コーダ
第Ⅱ部 ネオ・フェデラリズム
第7章 パブリアス
Ⅰ─ 概観
Ⅱ─ 憲法と革命
1 革命の正統性の問題 2 2つの単純な解決策
Ⅲ─ 『フェデラリスト』を読む
1 憲法政治 2 憲法の創造力のための条件
Ⅳ─ 人民を代表するということ
1 代表の問題構成 2 模写を超えて
Ⅴ─ 憲法に関する科学
1 派閥の解剖学 2 派閥を超えて 3 安全装置が作動するメカニズム 4 違憲審査
Ⅵ─ 結論として出てくるいくつかの問い
1 原因をめぐる問い 2 翻訳をめぐる問い 3 熟議と憲法保障 4 徳性の活用法
第8章 失われた革命
Ⅰ─ 20世紀における懐疑
Ⅱ─ 革命についての二つの概念
Ⅲ─ アーレント,そしてアーレントを超えて
Ⅳ─ ウッド,そしてウッドを超えて
1 第Ⅰ期の文脈 2 第Ⅱ期の文脈 3 ビアードの亡霊
Ⅴ─ フェデラリストたちから『フェデラリスト』へ
1 アデア 2 ダイアモンド
Ⅵ─ 革新主義からネオ・フェデラリズムへ
第9章 通常政治
Ⅰ─ 成功した革命の担い手から私的市民へ
Ⅱ─ 第三の類型
1 公的市民からの批判 2 完全な私人からの批判 3 私的市民であることのジレンマ
Ⅲ─ 強制的民主政
Ⅳ─ 通常政治における投票
1 私的市民の行為としての投票 2 軽い投票
Ⅴ─ 通常政治における資源 その目録
1 私的な利益集団 2 官僚的利益 3 公的な利益集団 4 マスメディア 5 政党 6 通常政治の明るい側面
Ⅵ─ 議院内閣制論者からの批判
1 責任性 2 透明性 3 決定性
Ⅶ─ ネオ・フェデラリストからの応答?
Ⅷ─ 徳性の節約
Ⅸ─ パブリアスを超えて 現代の権力分立
Ⅹ─ 最高裁判所
第10章 高次法形成
Ⅰ─ 通常政治から高次法形成へ
Ⅱ─ 硬直した見解と,それを超えて
Ⅲ─ シグナリング
1 深さ 2 広範さ 3 決定性 4 シグナリング
の仕組みとしての投票の不適切性 5 偽陽性と偽陰性
Ⅳ─ 提案の機能
Ⅴ─ 結集した熟議
Ⅵ─ 法典化
Ⅶ─ 三つの懐疑
第11章 なぜ二元的民主政か?
Ⅰ─ 民主主義 その死と変容
Ⅱ─ 私的市民性をたどる
1 市民性という仕事 2 私的市民が表現する必要性
Ⅲ─ 伝統からの要求
1 弁証法による論証 2 個人の自由と憲法の歴史との間の取引
Ⅳ─ 究極の問い
1 民主主義理論の歪み 2 私的市民性?
Ⅴ─ 新たな始まり
1 建国期を超えて 2 不正義の遺産
Ⅵ─ 二元的民主政を超えて?
訳者解題
訳者あとがき