よりよい仕事のための心理学

よりよい仕事のための心理学

出版社: 北大路書房
著者: 産業・組織心理学会、芳賀 繁
  • 「心と行動の統合体である」人間が,安全,快適かつ効率的に作業を遂行するための条件や阻害する要因を探究する。
  • 本巻では産業・組織心理学の領域のうち「作業部門」を扱う。「心と行動の統合体である」人間が,安全,快適かつ効率的に作業を遂行するための条件や阻害する要因を探究する。作業方法や環境,メンタルヘルスなど様々な領域における理論モデルや実践的アプローチを紹介。作業部門領域を網羅する構成で,関心のある章から読める。
    【主な目次】
    第1章 技能の習熟と伝承――仕事に必要なわざの分析と訓練
    第2章 人間工学――作業と環境と機器をデザインする
    第3章 職場環境――働く人々を有害要因から守る
    第4章 産業疲労――働く人の疲労,過労,眠気について
    第5章 職場のメンタルヘルス――働く人の心の健康を守る
    第6章 ヒューマンエラーと不安全行動――事故につながるエラーと違反
    第7章 労働安全衛生――実践と研究の歴史と展望
    第8章 安全マネジメント――安全を高める組織的取り組み
  • 産業・組織心理学会設立35周年記念講座 刊行の言葉
    編集委員一覧
    はじめに 
    第4巻の発刊に寄せて「産業・組織心理学と私」
    第1章 技能の習熟と伝承──仕事に必要なわざの分析と訓練
    第1節 技能獲得
     1.技能とは
     2.熟練技能
     3.技能の熟達化
     4.暗黙知と技能
    第2節 技能伝承
     1.状況論的アプローチ
     2.「わざ」の研究
    第3節 技能の分析
     1.職務分析
     2.作業研究
     3.タスク分析
    第4節 技能の組織学習
     1.組織学習
     2.組織における技能
    第5節 技能の育成
     1.職業能力開発
     2.職業能力開発のタイプ
    第2章 人間工学──作業と環境と機器をデザインする
    第1節 人間工学の歴史と定義
     1.人間工学の歴史
     2.人間工学の定義
    第2節 作業改善
    第3節 作業環境
     1.視環境
     2.音環境
     3.温熱環境
    第4節 作業姿勢
     1.椅座位姿勢
     2.立位姿勢
     3.負担
    第5節 ヒューマン・マシン・インタフェース
     1.視覚表示
     2.聴覚表示
    第6節 デザイン
     1.人体計測
     2.操作具
     3.作業空間(作業域)
     4.バリアフリーとユニバーサルデザイン
    第7節 ユーザビリティ
    第8節 ユーザエクスペリエンス
    第3章 職場環境──働く人々を有害要因から守る
    第1節 職場の環境条件の重要性
     1.安全・健康・快適性に影響する職場の物理的・化学的環境条件
     2.物理的・化学的な危険源が関わる労働災害
     3.危険な環境で働く人々
     4.疾病予防のための職場環境管理の重要性
     5.本章の目的
    第2節 職場環境の物理的・化学的危険要因と心理学
     1.職場環境の危険要因
     2.有害な物質とエネルギーの概要
     3.労働時間と有害要因
     4.有害物等による事故に介在するヒューマンファクター
     5.オフィスやサービス業の職場の快適性と安全性
    第3節 事業者・管理者に求められる職場環境の管理
     1.労働安全衛生法および関連する規制・指針
     2.有害物対策の実効性と継続性
    第4節 職場で扱われる危険な物質
     1.化学物質と粉じん
     2.酸素欠乏
     3.オフィスの空気環境
     4.喫煙
     5.化学物質・粉じんの障害予防に関する産業・組織心理学的課題
    第5節 物理的有害要因
     1.熱中症
     2.騒音
     3.振動
     4.物理学的有害要因に関する心理学的課題
    第6節 人間工学的条件と健康
     1.照明
     2.道具・レイアウト環境と健康
     3.道具・レイアウト環境に関する心理学的課題
    第7節 職場環境に起因する身体的疾病の予防に関する心理学の課題
    第4章 産業疲労──働く人の疲労,過労,眠気について
    第1節 負担と疲労
     1.社会的価値としてのリスク
     2.産業疲労研究
     3.疲労の本態
     4.負荷−負担モデルから負荷−負担−休息−疲労モデルへ
     5.産業疲労研究と過労死
    第2節 睡 眠
     1.睡眠時間
     2.睡眠構築
     3.睡眠経過図
     4.入眠の二過程モデル
     5.覚醒度の三過程モデル
     6.眠気と疲労
     7.徐波睡眠(N3)の疲労回復
     8.レム睡眠のストレス解消
    第3節 生体リズム
     1.サーカディアンリズム
     2.サーカセミディアンリズム
     3.ウルトラディアンリズム
     4.生体リズムの個人差
    第4節 夜勤・交代勤務
     1.夜勤・交代勤務とは
     2.夜勤・交代勤務がとられる理由と職種
     3.夜勤・交代勤務のリスク
     4.夜勤・交代勤務対策
    第5章 職場のメンタルヘルス──働く人の心の健康を守る
    第1節 ストレスとメンタルヘルスに関する理論
     1.ホメオスタシスと闘争−逃走反応
     2.全身適応症候群
     3.心理学的ストレスモデル
     4.ライフイベント
    第2節 労働安全衛生法と労働災害
    第3節 過労死・過労自殺の防止
    第4節 労働衛生の3管理・5管理
     1.作業環境管理
     2.作業管理
     3.健康管理
     4.労働衛生教育
     5.総括管理
    第5節 安全配慮義務
    第6節 精神障害の労災認定
    第7節 労働者の心の健康の保持増進のための指針
     1.心の健康づくり計画の策定
     2.セルフケア
     3.ラインによるケア
     4.事業場内産業保健スタッフ等によるケア
     5.事業場外資源によるケア
    第8節 ストレスチェック
     1.ストレスチェックで把握される要素
     2.ストレスチェックの実施手順
     3.個人へのフィードバック
     4.集団へのフィードバック
     5.職場環境改善
    第6章 ヒューマンエラーと不安全行動──事故につながるエラーと違反
    第1節 現代社会における事故とヒューマンエラー・不安全行動
     1.【事例1】焼津上空ニアミス
     2.【事例2】新幹線重大インシデント
    第2節 ヒューマンエラーとは
     1.ヒューマンエラーの定義
     2.ヒューマンエラーの発生メカニズム
    第3節 不安全行動とは
    第4節 リスク・リスク認知にかかる人間特性
     1.リスクとは
     2.リスクにかかる諸問題
     3.リスクのイメージ
     4.専門家と一般市民のリスク認知のズレ
     5.リスクコミュニケーション
     6.リスク認知のバイアス
    第5節 リスクテイキングにかかる人間特性
     1.リスク受容
     2.リスク敢行傾向の個人差と一貫性
     3.リスクテイキングのプロセス
     4.リスク補償とリスクホメオスタシス
    第6節 体験型安全教育の紹介
     1.エラー体験プログラムの概要
     2.調査の方法と手続き
     3.結果
    第7節 ヒューマンエラー・不安全行動の位置づけ:結果であり,原因ではない
    第7章 労働安全衛生──実践と研究の歴史と展望
    第1節 はじめに:労働災害とは
    第2節 労働安全衛生活動の歴史と安全研究動向
     1.【1950~1970年代前半】労働安全衛生活動が充実した時代
     2.【1970年代後半~1980年代前半】安全衛生活動強化の時代
     3.【1980年代後半~2010年代】職場環境とメンタルヘルスおよび新しい取り組みの時代
     4.【2020年代~】労働安全衛生研究の今後:ダイバーシティ・働き方改革(長時間労働,メンタルヘルス,ワーク・ライフバランス)
    第3節 わが国における労働人口の減少と取り巻く環境の変化
     1.少子高齢化と労働人口
     2.ダイバーシティ
    第4節 労働災害現況
     1.労働災害の原因と第三次産業
     2.年代別問題
     3.雇用形態:非正規雇用と事故リスク
     4.女性活躍推進とメンタル面でのリスクについて
     5.外国人労働者
    第5節 今後の展望:労災リスクを見据えた留意点と整備すべき環境
     1.安全衛生が扱う領域の広がり
     2.多様な働き方を考慮した研究と配慮
     3.ビッグデータとAI/ディープラーニング,新しい生理計測による安全研究
     4.今後の産官学での安全研究の在り方
    第8章 安全マネジメント──安全を高める組織的取り組み
    第1節 安全マネジメントの変遷
     1.「技術」のフェーズ
     2.「ヒューマンエラー」のフェーズ
     3.「社会−技術」のフェーズ
     4.「組織間関係」のフェーズ
     5.安全マネジメントシステムの導入
    第2節 安全マネジメントの諸概念
     1.システムズ・アプローチ
     2.安全文化
     3.高信頼性組織
     4.レジリエンス・エンジニアリング
    文 献
    索 引

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