ドイツ戦後史 1945–1955

ドイツ戦後史 1945–1955

出版社: 亜紀書房
著者: ハラルト・イェーナー、森内 薫
  • 【なぜドイツ人はファシズムと決別できたのか】

    だれもが略奪に加わった戦後数年間を、人々は「狼の時代」と呼んだ。
    権力に空白が生じた、その秩序なき時代に、
    人は互いに反目し、猜疑の目を向けながらも
    新しい道徳、自由、平等を作り出していった。

    ドイツを改変しようする戦勝国の思惑を超え
    清濁を合わせのみながら民主主義を紡いでいく、
    その光と闇を克明に描き出すベストセラー。

    ***
    第二次大戦は、ドイツの都市を瓦礫の山と化した。
    そこは、新しい社会を築くための実験場となった。
    廃墟を片付ける女性たちの自立と連帯、
    ダンスや恋愛に興じ、刹那を生きる都市文化の広がり、
    闇市をしたたかに生き抜く子供たち……
    飢えと暴力が深刻化する極限の状況においても
    ドイツの民衆は、日々を生き延びる活力を失わなかった。
    アメリカ、ソ連の文化政策を激しく拒絶し、
    自身の責任から目を逸らしながらも
    ドイツ人はやがて、身の回りの変革を通して
    自己の精神を変革し、新しい文化を育んでいった。
    後の世代から厳しく非難され、これまで顧みられることがなかった戦後の数年間。
    豊富な資料をひもとき、市井の人々の暮らしに目を向け、
    その時代が宿していた新たな社会の萌芽を見出して
    国内外から高い評価を受けたベストセラー。
  • はじめに
    1.零時?
    2.廃墟
    3.大移動
    4.ダンスへの熱狂
    5.リーベ一九四七
    6.盗み、配給、闇市場の取引──市場経済へのレッスン
    7.経済の奇跡と不道徳の不安
    8.再教育者たち
    9.芸術と民主主義のデザインの冷戦
    10.抑圧の音
    あとがき 幸福
    謝辞
    訳者あとがき

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