ポスト・コロナの文明論
出版社: 明石書店
- コロナ禍によって、わたしたちの生活の地盤は大きく揺らいだ。西洋中世史を専門とする著者は、比較文化論的に現代文明のトータルな危機をクローズアップし、近未来の社会のあり方を問う。本書は、これまでの/これからの社会を基礎から知るための、もっともわかりやすい本だ。
- はじめに
第1章 コロナが暴く文明の急所
1 現代文明を可視化したコロナ
2 経済はどうなるか
3 コロナはどの産業構造を襲ったのか
4 感染症を培養する都市文明
5 異形の東京一極集中化
6 グローバル資本主義の暴走
7 新自由主義の弱点
8 ナショナリズムとポピュリズム
9 ヘイトスピーチの深層
10 中国の台頭―一帯一路構想
11 独裁と民主主義のパラドックス
12 軍事力の無力化―あぶり出される基地問題
第2章 感染症と世界史
1 異界が口を開けるとき
2 ヨーロッパに侵入したペスト
3 鞭打ち苦行者の群れ
4 「死の舞踏」と集団ヒステリー
5 ペストと『ハーメルンの笛吹き男』伝説
6 ヨーロッパ人はペストとどう対峙したのか
7 ペストはヨーロッパ社会をどう変えたのか
8 メメント・モリ(死を想え)の記憶
9 梅毒―植民地からヨーロッパへ
10 天然痘―ヨーロッパから植民地へ
11 滅亡したメソアメリカ文明、世界伝播した嗜好文化
12 スペイン風邪と第一次世界大戦
コラム スペイン風邪に襲われた有名人列伝
第3章 コロナ禍と近未来の社会
1 現代版バベルの塔
2 成長神話からパラダイムの転換
3 コロナとデジタル時代
4 不条理を生きる
5 食糧自給率
6 バッタの襲来と食糧危機
7 生態系、環境破壊と感染症の連鎖
8 世界のCO2排出規制
9 再生可能エネルギーへ
10 EV(電気自動車)戦国時代
11 日本の森林と木質バイオマス
12 花とハチ、クマが教えてくれる循環型社会
終章 日はまた昇る
あとがき
主要参考文献一覧