フランスの歴史を知るための50章
出版社: 明石書店
- 古代から現代にいたるまで、現在のフランスを構成する地域の歴史を平易な文章で叙述。政治史を軸に、社会、経済、宗教、文化などの様々なテーマを絡めながら、各時代を多彩な執筆陣が立体的に描き出し、読者を新たなフランスの発見へといざなう。
- はじめに
第Ⅰ部 古代・中世
1 ローマ帝国下のガリア――カエサルの遺産、そして「フランス」のプレリュードへ
2 「フランキア」から「フランス」へ――「フランク人」小史
3 ガリア聖歌――「フランス音楽」の古層
4 封建社会の王――前期カペー朝
5 フランス中世の教会と修道院――11〜12世紀の信仰と平安
6 フランスのロマネスク美術――大いなる実験の時代
7 「長い13世紀」とフランス王国――王権の伸長と王領地の拡大
[コラム1]12〜13世紀フランスの女性権力者
8 ゴシック建築とフランス――歴史のなかで変化する「ゴシック」
9 中世のパリ――都市代表組織の形成を中心に
10 カタリ派のコスモロジー――中世南フランスの信仰と異端迫害
11 托鉢修道会の誕生と拡大――都市社会のキリスト教信仰
12 神学vs.哲学――世界の永遠性をめぐる13世紀パリ大学での論争
13 13世紀における都市の勃興と文学――アラスの場合
14 中世フランスの民主主義――都市と村落の自治
[コラム2]サン・テミリオンのワインとジュラード
15 百年戦争の開始――相次ぐ敗北と三部会の反乱
16 百年戦争の終結とその後のフランス――諸侯と公妃に導かれるフランス
[コラム3]ジャンヌ・ダルクとそのイメージ
第Ⅱ部 近世
17 フランスの宗教改革――福音主義運動の展開から改革派教会の創立へ
18 宗教戦争の終結とアンリ4世――内乱を経て王国再建へ
[コラム4]フランスのルネサンス文化
19 ルイ13世とリシュリュー――国家の利益で結ばれた王と宰相
20 フロンドとマザラン――戦時体制への不満と党派間の争い
21 ルイ14世の親政――「偉大なる世紀」の光と影
22 絶対王政の統治構造――社団、儀礼、公共圏
23 近世のパリ――王権による首都統治体制の形成
24 近世フランスのキリスト教(17~18世紀)――カトリックとカルヴァン派の信仰生活
25 「近代家族」の誕生――夫婦と親子をつなぐ情愛の絆
26 啓蒙思想――「敢えて賢くあれ」
[コラム5]ジャン=ジャック・ルソー
27 ルーヴル美術館の誕生――アンシアン・レジームから革命へ
第Ⅲ部 近代
28 フランス革命の展開――中道派からみた革命
29 革命祭典――7月14日の国民祭典
30 フランス革命期における人権と外国人――普遍的理念とその限界
31 フランス革命と戦争――戦争の世界化と多義化
32 ナポレオンの統治――統領政府と第一帝政
[コラム6]名望家体制
33 復古王政と七月王政――フランス型自由主義の摸索
34 二月革命と第二共和政――「国民」の政治参加
35 ナポレオン3世と第二帝政――19世紀の転換期
36 首都パリの大改造――近代都市モデルの誕生
37 第三共和政の成立と展開――「三度目の正直」の波乱と苦闘
[コラム7]社会福祉政策の形成
38 植民地帝国の形成――産官学連携の国家事業
39 万国博覧会と大衆消費文化――19世紀の首都パリの形成
40 フランスのユダヤ人――「近代国民国家」フランスとの複雑な関係性
第Ⅳ部 現代
41 第一次世界大戦とフランス――崩されゆく国民的神話
42 両大戦間期のフランス――体制崩壊の危機を乗り越え、社会の分裂を招いた20年
43 第二次世界大戦と占領されたフランス――国民革命か共和的合法性か
44 ドゴールの時代――「二つのフランス」をつなぐ移行期
45 植民地の独立――帝国崩壊の要因と影響
46 五月事件からミッテラン政権へ――市場化改革の源流?
47 ライシテと学校教育――フランス流の市民の育て方
48 現代パリの都市空間――膨張と変貌
[コラム8]ル・コルビュジエ
49 フランスの移民――19世紀から今日まで
50 フランス、EU、グローバリゼーション――フランスはどこへ向かうのか
フランスの歴史を知るための参考文献
フランス史略年表