フランス人とは何か

フランス人とは何か

出版社: 明石書店
著者: パトリック・ヴェイユ、宮島 喬、大嶋 厚、中力 えり、村上 一基
  • 国籍とは何か? 生地主義、血統主義、帰化の意味を跡づけ、“危機の時代”におけるユダヤ人の国籍-奪、女性・植民地出身者に対する差別や不平等について緻密に検証。膨大な史料を渉猟し、フランス革命以降の国民/外国人の境界線のゆらぎ、平等・包摂の現代にいたる道程を実証的見地から描き出した圧巻の書。
  •  本書について
     本書における訳語について
     略号表記一覧
     序論
    Ⅰ 近代国籍法の構築
     1 アンシアン・レジームから民法典へ――フランス人の二つの革命
     一七九〇一七九一年――フランス国籍は憲法のなかで規定される
     一七九〇一七九五年――フランス人となるための二つの手段および名誉市民権
     そして自動的帰化へ……
     一八〇三年――民法典に国籍に関する条文が加えられる
     血統主義か生地主義か
     ボナパルトの敗北
    2 生地主義はいかにして導入されたか(一八〇三‐一八八九年)
     居住許可という魅力的な資格
     さらに困難となる帰化
     一八四八年の幕間劇
     二重の枷
     外国人の子どもと徴兵制――国家的な課題
     民法典改正を阻むもの
     フランスで生まれた子どもに平等に義務を課すこと
     外国人に対する制限措置
     一八八九年――フランス本土における共和国的生地主義の再生
    3 国民への援軍としての帰化(一八八九‐一九四〇年)
     印璽部の登場
     一つの目標――第二世代の「統合」
     第一次世界大戦――警戒と疑惑と
     人口問題という最重要課題
     一九二七年――大胆な案をめぐるコンセンサス
     「紙の上のフランス人」なのか
     人口増加主義 対 出自による選別――一九三〇年代の闘い
     難民をストップせよ!
     それでも、帰化を!
    Ⅱ フランス国籍のエスニック危機
    4 ヴィシー――国籍政策におけるレイシズム
     挫折した新国籍法案(一九四〇‐一九四三年)
     「好ましからざる者」がフランス人になるのを妨げる
     帰化取り消しの標的――ユダヤ人
    5 容易でなかった共和国的法制への復帰
     「自由フランス」による国籍登録
     難航するヴィシー「諸法」の廃止
     エスニック・アプローチの回帰
     ジョルジュ・モコの敗北
     新国籍法
     帰化 対 監護される子ども
     新しい省、新しい基準
     一九五三‐一九七三年――リベラリズムの二〇年
    6 フランス国籍のアルジェリア危機
     北アフリカ系移民の地位を保障するための一〇年(一九七四‐一九八四年)
     国籍をめぐる真の争点――第二世代
     極端に走る右派
     「賢人」委員会
     意思を表明する?
     新たな綜合を求めて
    第Ⅱ部の結論
    Ⅲ 比較と実際運用における国籍
    7 生地主義 対 血統主義――フランスとドイツの法律を対比させることの誤り
     プロイセンの法律にフランスが与えた影響(一八三〇‐一八四二年)
     レイシズムも、ナショナリズムもなく――法律家たちの支配
     借用と移転
     ネーション概念から独立した国籍法
     血統主義の人種的ドイツへの同一化――一表象の分析
     二〇世紀のドイツ国籍法
     移民と国籍――ヨーロッパでみられる収斂
    8 差別されたフランス人たち
     国籍法における女性の地位――遅ればせの平等
     アルジェリアの植民地被支配者
     帰化者の欠格
    9 どのようにフランス人になり、フランス人であり続けるのか――実際の運用におけるフランス国籍
     広く開かれた二つの手続き――結婚……
     ……そしてフランスでの出生
     帰化の矛盾
     重国籍の許容
     奪、リベラリズムの代償
     どのようにフランス国籍を証明するか
     全体の結論
     謝辞
     附録
     原注
     文献
     資料出所
     訳者解題
     著者の略歴
     索引

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