自由は進化する

自由は進化する

出版社: 筑摩書房
著者: ダニエル・C・デネット、山形 浩生
  • 自由意志は確かに存在する、でもそれは、生物として進化する過程で生まれてきたものだ――。哲学上の難問を自然主義の立場から解いた痛快な問題作。
  • 自由はちゃんと存在する。でもそれは、生物としての進化の過程で生まれてきたものだ──。人間の本質は〈魂〉にあるとする伝統的な発想が、説得力の弱いものになった現代。世界は決定論的に定まっているものではないのか、生物の行為は遺伝子やミームに操られているだけなのではないか等々、新たな反対意見を丁寧に検証しつつ、徹底した自然主義の立場から、自由意志の存在を導き出す。心の哲学の隆盛のなかにあってマイルストーンともなった一冊を、明快な訳者解説とともに文庫化。
  • 第1章 自然の自由
    1 自分たちの正体を学ぶ
    2 わたしはわたし
    3 空気のようにあたりまえ
    4 ダンボの魔法の羽根とポーリーナの災厄
    第2章 決定論について考えるためのツール
    1 単純化しすぎると役に立つ
    2 コンウェイのライフゲーム世界における物理から設計へ
    3 デウス・エクス・マキーナにたどりつけるだろうか?
    4 ゆっくりした回避からスターウォーズまで
    5 可避性の誕生
    第3章  決定論について考える
    1 可能世界
    2 因果律
    3 オースティンのパット
    4 コンピュータ・チェス・マラソン
    5 決定論的宇宙における原因のない事象
    6 未来は過去に似るだろうか?
    第4章 リバータリアニズムの言い分をきく
    1 リバータリアニズムの魅力
    2 とても必要なギャップはどこにおく?
    3 ケインの非決定論的意志決定モデル
    4 「自分を思いっきり小さくすれば、事実上すべてを外部化できる」
    5 最初の哺乳動物にご用心
    6 「自分次第」なんてあり得るの?
    第5章 これほどの設計はどこからきたの?
    1 始まり
    2 囚人のジレンマ
    3 多数で構成された統一体?
    4 余談―遺伝的決定論の脅威
    5 自由の程度と真実の追究
    第6章 オープンな心の進化
    1 文化的な共生が霊長類を人間にする
    2 ダーウィン主義的説明の多様性
    3 いいツールだけど、使わなきゃ始まらないよ
    第7章 道徳的行為の進化
    1 ベン利己主義
    2 善良に見えたいから善良にふるまう
    3 自分自身とどう対処するか
    4 我らが高価な善行メダル
    第8章 あなたはカヤの外ですか?
    1 まちがった教訓を引き出す
    2 その気になったらいつでも
    3  書心術者の見方
    4 自分だけの自己
    第9章 自分で自分を自由へと引き上げる
    1 合理性をつかまえて自分自身のものにする
    2 心理エンジニアリングと合理性の軍拡競争
    3 友達の助けをちょっと借りて
    4 自律性、洗脳、教育
    第10章 人の自由の未来
    1 にじり寄る無罪宣告に対する一線を保つ
    2 「罰してくれて目がさめたよ!」
    3 人は望んだよりも自由すぎるだろうか?
    4 人間の自由はもろいのだ
    訳者解説
    a 書誌的なデータ
    b これは何の本なの?
    c デネットってだあれ?
    d せっかちな人のための要約Part 1―進化する自由
    e せっかちな人のための要約Part 2―自由意志否定論への反駁
    f なぜ本書の議論があなたにはピンとこないのか
    g 謝辞その他
    文庫版訳者あとがき 

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