鉱毒問題と明治知識人
出版社: 東京大学出版会
- 明治期最大の社会問題となった足尾鉱毒事件に直面し,同時代の知識人たちはいかなる思想的応答を行ったのか.本書は,この未曾有の事態に真摯に向き合った田中正造,福澤諭吉,勝海舟,内村鑑三,幸徳秋水などの言説を丹念に追い,「近代」がもたらした問題をめぐる人々の格闘を跡づける.
- 序 章
第一章 田中正造の虚像と実像
第二章 田中正造の思想世界――特に儒学との関連について
第三章 「情」と「智」の相剋――勝海舟と福沢諭吉
第四章 「社会」と「国家」のはざまで――島田三郎と陸羯南
第五章 「近代」への反逆――内村鑑三と幸徳秋水
終 章 「近代」の問題と明治知識人