学歴・試験・平等

学歴・試験・平等

出版社: 東京大学出版会
著者: 林 嶺那
  • 日本の公共部門の昇任人事は,いかなる能力観のもとに行われているのか.本書は,1930年代から2000年前後の大規模自治体――大阪市役所、東京都庁、神奈川県庁――の昇任システムを綿密に分析し,3つのモデルを提示する.日本の人事管理の実態に迫り,その多様性を明らかにする意欲作.
  • 序 章 能力への多様な眼差し
    序-1. 研究課題
    序-2. 課題設定の理由
     序-2-1. 時期的限定
     序-2-2. 対象の限定
     序-2-2. 多様性の把握
    第1章 分析視角とモデル化の方法――昇任管理への着目
    1-1. はじめに
    1-2. 鍵変数としての昇任管理
     1-2.1. 実践的価値
     1-2.2. 管理の鍵としての昇任管理
    1-3. 先行研究とその課題
     1-3.1. 先行研究
     1-3.2. 先行研究の課題
    1-4. 4つの視角
     1-4.1. 人々の意識
     1-4.2. エリート/ノンエリートの関係性 
     1-4.3. 人事諸領域の有機的連関
     1-4.4. 自律性
     1-4.5. 小括  
    1-5. 極端事例研究アプローチ
    1-6. 本章のまとめ
    第2章 事例の選択――3つの大規模自治体
    2-1. はじめに
    2-2. 極端事例の選択基準
     2-2.1. 選択基準の一般的指針
     2-2.2. 具体的な事例の選択基準
    2-3. 事例の選択
     2-3.1. 選考ベースの昇任秩序における入口選別の有無
     2-3.2. 昇任試験制度の強力な利用
    2-4. 本章のまとめ
      
    第3章 学歴主義モデル――大阪市役所
    3-1. はじめに
    3-2. 戦前・戦中期における大阪市の人事管理
     3-2.1. 処遇
     3-2.2. 採用 
     3-2.3. 昇任
     3-2.4. 小括
    3-3. 昇任
     3-3.1. 大阪市役所の戦後初期における人事管理の展開と人事構想
     3-3.2. 学歴の制度上の位置づけ
     3-3.3. マクロデータから見る昇任秩序
     3-3.4. ミクロデータに基づく昇任構造の分析
     3-3.5. 本節のまとめ
    3-4. 採用
     3-4.1. 人事委員会以前
     3-4.2. 採用試験制度の変遷
     3-4.3. 採用試験の実態
     3-4.4. 高卒者と大卒者に寄せる期待の差異
     3-4.5. 小括
    3-5. 研修
     3-5.1. 大卒採用者に対する長期的かつ集中的な研修プログラム
     3-5.2. プログラム格差の継続と変化  
     3-5.3. プログラムの量的質的接近
     3-5.4. まとめ
    3-6. 配置
     3-6.1. 本庁/出先間の異動構造
     3-6.2. 本庁/出先の役付職員の履歴
     3-6.3. 配置と昇任の関係
     3-6.4. 部門を超えた異動のあり方
     3-6.5. まとめ
    3.-7. 本章のまとめ
    第4章 試験主義モデル――東京都庁
    4-1. はじめに
     4-1.1. 本章の概要
     4-1.2. 先行研究の整理
    4-2. 東京府市における人事管理
     4-2.1. 東京市役所における人事管理
     4-2.2. 東京府における人事管理
     4-2.3. まとめ
    4-3. 昇任
     4-3.1. 第1期(1943年から1954年)
     4-3.2. 第2期(1955年から1966年)
     4-3.3. 第3期(1967年から1973年)
     4-3.4. 第4期(1974年から1990年)
     4-3.5. 第5期(1991年以降から2000年前後)
     4-3.6. 実態に関する経時的な分析
     4-3.7. まとめ
    4-4. 採用
     4-4.1. 制度の変遷
     4-4.2. 運用の変遷 
     4-4.3. まとめ
    4-5. 研修
     4-5.1. 歴史
     4-5.2. 新採用者研修プログラム
     4-5.3. 管理職候補者に対する研修プログラム
     4-5.4. まとめ
    4-6. 配置
     4-6.1. 配置管理の展開
     4-6.2. 本庁/出先の異動構造
     4-6.3. まとめ
    4-7. 本章のまとめ
        
    第5章 平等主義モデル――神奈川県庁
    5-1. はじめに
    5-2. 戦前・戦中期における神奈川県の人事管理
     5-2.1. 府県の人事管理の特徴
     5-2.2. 制度化への胎動と学歴開放性
     5-2.3. 小括
    5-3. 昇任
     5-3.1. 昇任運用の基準
     5-3.2. マクロデータから見る昇任秩序の実態
     5-3.3. ミクロデータに基づく昇任構造の分析
     5-3.4. 夜学通学者
     5-3.5. 昇任試験に対する認識
     5-3.6. 本節のまとめと考察
    5-4. 採用
     5-4.1. 戦後初期における採用管理方式――人事委員会以前
     5-4.2 人事委員会による試験制度の概要
     5-4.3. 採用試験の運用面
     5-4.4. まとめ
    5-5. 研修
     5-5.1. 研修担当組織の変遷とプログラムの概要
     5-5.2. 新採用職員研修の変遷
     5-5.3. 管理者研修の展開
     5-5.4. まとめ
    5-6. 配置
     5-6.1. 人事異動の構造
     5-6.2. キャリアの作り方
     5-6.3. まとめ
    5-7. 本章のまとめ
      
    第6章 各モデルの特徴とその比較
    6-1. はじめに
    6-2. 各モデルの比較分析
    6-3. グレー・ゾーン,モデルの射程
     6-3.1. グレー・ゾーンの考察
     6-3.2. モデルの射程――中央省庁の人事システム
    終 章 本書の意義と課題 
    終-1. はじめに
    終-2. 本書の意義
     終-2.1. 理論的意義
     終-2.2. 事実発見の意義
     終-2.3. 方法論的意義
     終-2.4. 政策的な含意
    終-3. 今後の課題
    終-4. おわりに
    Three Models of Human Resource Management in Japanese Municipal Government
    HAYASHI Reona

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