歴史を未来につなぐ

歴史を未来につなぐ

出版社: 東京大学出版会
著者: 歴史学研究会
  • 3・11以降の歴史学はいかにあるべきか,震災直後から取り組んできた歴史研究者が,現代に残された課題にむけて新たな展望を示す.人びとのコミュニティを再生し,記憶をつなぐために歴史学がどのように貢献できるか.学問としての歴史学のあり方を問い直し,未来にむけての投錨を試みる.
  • 総論 「3・11からの歴史学」の現在――2019年の歴史的地平(大門正克)
    I 3・11からの7年間が問いかけるもの
     1 ふくしまの経験と歴史学(阿部浩一)
     2 日本の学問と「3・11」(保立道久)
     3 東日本大震災がもたらした死者に関わる問題群(北原糸子)
     4 大規模自然災害時の歴史研究者と大学の役割――地域の記憶を歴史として継承するために(奥村 弘)
    II 博物館・美術館展示と地域の復興・再生
     1 原子力災害と博物館活動(本間 宏)
     2 「災害とミュージアム」リアス・アーク美術館(山内宏泰)
     3 地域復興と博物館――陸前高田市立博物館の7年半(熊谷 賢/聞き手 鈴木 茂)
     4 記憶をつなぐ――津波災害と文化遺産(小田真裕)
     5 震災をめぐる想像力の「収斂」に抗するために(原山浩介)
    III シリーズ「3・11からの歴史学」提言・時評から
    III-1 歴史学再考
     1 自然災害史研究の射程(峰岸純夫)
     2 われわれは東北史になにを学ぶか――3・11以後の歴史学のために(河西英通)
     3 過去と現在を行き来する災害史研究――近世の飢饉研究から(菊池勇夫)
     4 妊娠から歴史を考える(田間泰子)
     5 歴史学が存続するために(高澤紀恵)
     6 関東大震災下における虐殺の記憶を継承するために――東日本大震災・ヘイトスピーチ・関東大震災90周年を経て(小薗崇明)
     7 私たちは阪神・淡路大震災における被災障害者支援の教訓を生かせているのか(野崎泰伸)
    III-2 地域の復興・再生と歴史学・史料保存
     8 「震災」を経験して(大平 聡)
     9 3・11,熊本地震は歴史研究者に何を求めているのか(岡田知弘)
     10 「役に立たざるもの」の役に立つこと――災害時と歴史学・資料保全活動の心理社会的意義について(J.F.モリス)
     11 熊本における被災文化財レスキュー活動(稲葉継陽)
     12 東日本大震災と本(土方正志)
    III-3 原発開発・原子力災害と歴史学
     13 「なかったこと」にさせない思いをつなぐ営みとしての歴史叙述(友澤悠季)
     14 原発事故から5年,福島県における農業・農村の現段階(小山良太)
     15 「3・11」後の原発政策と反原発運動(佐々木啓)
     16 「シン・ゴジラ」はいまどうなっているか?(大串潤児)
    座談会 シリーズ 「3・11からの歴史学」の射程(阿部浩一・大門正克・奥村 弘・北原糸子・保立道久/司会:鈴木 茂)
    あとがき(鈴木 茂)
    Connecting the Past to the Future:
    The Role of Historical Studies after 3.11
    The Historical Science Society of Japan, Editor

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