井上靖とシルクロード

井上靖とシルクロード

出版社: 七月社
著者: 劉 東波
  • 人々にシルクロードのロマンを届けた井上靖。足を踏み入れたことのなかった西域を、作家はどう描いたのか。典拠と作品の比較から、史実と想像力がせめぎあう歴史小説の秘密に迫る。
    宮澤賢治と松岡譲の西域物も…
  • シルクロードブームを牽引し、人々に西域の夢とロマンを届けた井上靖。足を踏み入れたことのなかった西域を、作家はどのように描いたのか。典拠資料と作品の詳細な比較から、史実と想像力がせめぎあう歴史小説創作の秘密に迫る。
    宮澤賢治と松岡譲の西域物もあわせて論じる。
  • 序章 総論
    一 敦煌ブームと日本近代文学
    二 本書の構成
    Ⅰ 井上靖の西域物の誕生
    第一章 西域物の源泉──「漆胡樽」
    一 詩から小説へ
    二 井上靖が参照した「漢籍」
    三 小説「漆胡樽」における虚構
    四 「漆胡樽」から他の西域物へ
    第二章 対の器物から生まれた作品──「玉碗記」
    一 事実に支えられている作品
    二 作品における対構造
    第三章 西域で活躍した人物──「異域の人」の班超
    一 初期の西域物
    二 典拠との比較
    三 班超の生きる意味
    Ⅱ 井上靖の西域物の発展と変遷
    第四章 「楼蘭」と『敦煌』
    一 「楼蘭」におけるロブ湖
    二 『敦煌』の創作と方法
    三 『敦煌』における人物像
    第五章 西域の水・河(川)を描く作品──「洪水」
    一 井上靖と河(川)
    二 「洪水」典拠の再検討
    三 「洪水」における疑問点
    四 西域経営と自然破壊
    第六章 史実に即した作品──後期の西域物
    一 「崑崙の玉」の典拠と方法
    二 「崑崙の玉」──対の夢追い物語
    三 「僧伽羅国縁起」と「羅刹女国」
    Ⅲ 日本近代文学における西域物
    第七章 宮澤賢治の西域物
    一 宮澤賢治の西域物とは
    二 宮澤賢治と島地大等
    三 宮澤賢治と近代中央アジア探検
    第八章 松岡譲の西域物
    一 忘れられた作家
    二 『敦煌物語』の成立と方法
    三 大谷探検隊から大谷ミッションへ
    終章 まとめと今後の課題

    Ⅳ 付録
    付録① 「異域の人」作品本文と典拠の比較
    付録② 『敦煌』参考文献一覧
    付録③ 井上靖西域関連著作一覧
    付録④ 井上靖水・河(川)関連著作一覧
    付録⑤ 「崑崙の玉」初出稿と改訂稿の比較
    付録⑥ 宮澤賢治西域関連著作一覧
    付録⑦ 松岡譲仏教関連著作一覧
    付録⑧ 半藤末利子氏インタビュー──父・松岡譲の作家生涯について
    付録⑨ 長岡市郷土史料館所蔵松岡譲資料一覧
    付録⑩ 『敦煌物語』典拠資料一覧
    初出一覧
    あとがき
    索引

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