俳句を標に

俳句を標に

出版社: ふらんす堂
著者: 松内佳子
  • ◆入魂の一書
    龍太氏の作品に、戦争への義憤や、反戦を言挙げしたものは見当らない。亡き兄たちを追懐…
  • ◆入魂の一書
    龍太氏の作品に、戦争への義憤や、反戦を言挙げしたものは見当らない。亡き兄たちを追懐するのにも、憤りではなく、悲しみを詠っている。耐えがたい悲痛に、ただじっと耐えようとす…
  • ◆入魂の一書
    龍太氏の作品に、戦争への義憤や、反戦を言挙げしたものは見当らない。亡き兄たちを追懐するのにも、憤りではなく、悲しみを詠っている。耐えがたい悲痛に、ただじっと耐えようとする自身の姿を詠っている。その寡黙で静謐な作品は、寡黙で静謐ゆえに、読む者に自ずから深く考えさせるようだ。
    戦争という苛酷な時代に青春を送らざるを得なかった龍太氏は、その悲しみを転機に、改めて郷土の山河を見つめ直し、自然と気息を合わせて生きる決意をした。『百戸の谿』は、そのひたむきな姿勢が生んだ一集といえるのではなかろうか。
    (「清々しい決断─飯田龍太句集『百戸の谿』私感」より)
    ◆目次
    第I部
    清々しい決断─飯田龍太句集『百戸の谿』私感
    気品と潔さ─飯田龍太全集第五巻鑑賞I
    入魂の一書─友岡子郷著『飯田龍太鑑賞ノート』
    エロティシズム俳句にこそ─復本一郎著『日野草城─俳句を変えた男』
    強い衝撃と憤りをエネルギーとして─田島和生著『新興俳人の群像─「京大俳句」の光と影』
    画期的な俳句異界論─小澤實著『俳句のはじまる場所』
    青き足袋穿いて─山田春生著『俳句の騎手─戦中戦後俳壇史』
    蛇笏に学ぶ作句法─廣瀬直人著『作句の現場─蛇笏に学ぶ作句法』
    あるがままに─村越化石句集『八十路』
    瀟洒艶麗─後藤比奈夫句集『めんない千鳥』
    帯の堅さ─寺井谷子句集『母の家』
    清雅に静謐に─大嶽青児句集『笙歌』
    一本の道─山本一歩句集『一楽』
    第II部
    一句鑑賞(「百鳥」より)/不羈自由に人生を謳歌して─中村晋子句集『琴糸』/慈愛に満ちて─大串若竹句集『風鈴』跋/俳句形式からの管見─大串若竹句集『風鈴』/北の風韻/湧きいづる泉─三十代作家競詠評
    第III部
    (書簡)
    大串章著『現代俳句の山河』『抒情の曠野』/櫛原希伊子句集『きつねのかみそり』/太田土男著『自然折々・俳句折々』/太田土男著『太田土男集』/比田誠子句集『朱房』/小田玲子句集『表の木』/後藤雅夫句集『冒険』/英龍子句集『花の塔』
    (エッセイ)
    武蔵野/波郷を偲ぶ/西行を読む/自句のほとり─自句自解

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