韓国文学を旅する60章

韓国文学を旅する60章

出版社: 明石書店
著者: 波田野 節子、斎藤 真理子、きむ ふな
  • いまもっとも注目されている韓国文学。さまざまな土地にゆかりのある、古典から現代まで総勢60人の作家/作品を通して、読者を旅に誘う。韓国を愛するすべての人に向けた、豪華執筆陣による珠玉のエッセイ集。
  •  はじめに
     ソウルおよび朝鮮半島の地図
    Ⅰ 古典の世界
    第1章 パンソリ 韓国人の伝統的な心情――口承伝統のパワーと技がさえる
    第2章 朝鮮半島の定型詩 郷歌から時調へ――郷歌「薯童謡」と時調「丹心歌」を中心に
    第3章 朝鮮の風雲児 許筠――洪吉童は琉球に渡ったか?
     コラム1 ハングル、時空を亘る
    Ⅱ 近代文学の開拓者
    第4章 李光洙の長編『無情』と鍾路――韓国最初の近代長編の舞台を歩いてみよう
    第5章 幻影に囚われた金東仁の人生――大同江の幻影、幻影の大同江
    第6章 代表作に見るリアリスト廉想渉の実体験と冷徹な観察――東京、下関、大田、ソウル
    第7章 洪命憙の『林巨正』――迷走する大河小説
     コラム2 翻訳と翻案の1910年代
     コラム3 韓国の演劇
     コラム4 韓国の「ノラ」たち
    Ⅲ 近代の小説家
    第8章 春川のジャガイモと金裕貞の「冬椿花」――韓国のツンデレ少女
    第9章 李泰俊と城北洞――陶磁器蒐集家たちの社交場
    第10章 李箱のたどった明洞‐新宿――からっぽな「わたし」の発見
    第11章 李孝石と郷土の原風景――今に生きる「嶺西の記憶」
    第12章 朴泰遠のソウル――『川辺の風景』と『小説家仇甫氏の一日』を歩く
    第13章 錦江の濁流に落ちる涙と蔡萬植――初鳳や勝在に会える街・群山
    第14章 京城に探偵を登場させた金来成――怪奇と犯罪と神秘の交響楽
    第15章 郷土に育まれた作家、朴花城――木浦、東京、そして木浦
    第16章 1930年代の代表作 李箕永の『故郷』――天安一帯の農村変革を描く
    第17章 「日本語作家」金史良――創作のはじまりの場所 釜山
    第18章 異境に見たふるさと 張赫宙――高麗郷と高麗神社
    第19章 片脚の戦士 作家金学鉄――社会の不義と戦った生涯
    Ⅳ 近代の詩人
    第20章 きょっきょん、きょっきょん、金素月――定州そして雨降る往十里
    第21章 禁じられた詩人 鄭芝溶――郷愁の沃川
    第22章 プロレタリア詩人 林和――植民地朝鮮と鍾路十字路
    第23章 モダニズム文学の旗手 金起林の足跡――「北」と「南」の間で行方不明になった詩人
    第24章 李舜臣の町・統営の少女と白石――祀堂の石段に座りあの人をおもう
    第25章 李陸史の雄壮な想像力――安東の風景と「曠野」
    第26章 詩人尹東柱の故郷を探しに――龍井のある辺境の風景
    Ⅴ 解放と分断と朝鮮戦争(1945年~)
    第27章 黄順元の「鶴」――敵対から和解へ
    第28章 李範宣の「誤発弾」と解放村――母は「帰るんじゃ! 帰るんじゃ!」と叫ぶ
    第29章 「戦後」を体現する作家 孫昌渉――「戦後」の釜山
    第30章 驢馬の眼差しをした失郷作家 李浩哲――ソウル・西大門刑務所歴史館
    第31章 崔仁勲 北でも南でもない場所への希求――巨済島の光と影
    第32章 有刺鉄線を越えて 金洙暎――自由への道のりを辿る
    第33章 言葉と文字を失った作家 金承鈺――「霧津」は韓国のどこにでもある
    第34章 金源一氏のこと――兄の目
     コラム5 済州島四・三事件と文学
    Ⅵ 独裁政権と産業化の時代(1960年代~)
    第35章 朴景利と平沙里、間島、沿海州、そして統営――大河小説『土地』の舞台を訪ねて
    第36章 メロドラマから百済滅亡史へ 崔仁浩――百済の旧都 扶余
    第37章 「旅人」黄晳暎の故郷・永登浦――「最後の韓国」の姿を求めて
    第38章 田舎と都会を往復した魂 李清俊――南道の艶やかな闇の中で
    第39章 金芝河 振れ幅の大きかった「抵抗詩人」――日本人は彼の詩で韓国文学を知った
    第40章 チョ・セヒ リアルにして象徴的な世界――タルトンネはいたるところに
    第41章 李文求と忠清南道――海と山に日は落ちる
    第42章 呉貞姫の「失郷」の文学――港町仁川の「中国人町」
    第43章 申庚林と歩く仁寺洞――〈平和マンドゥルギ〉の夜は更けて
    第44章 趙廷來とともに筏橋を歩く――民族の悲劇の長大さ
    第45章 パク・ワンソとPX――1950年の明洞
    第46章 詩人 パク・ノヘ――清渓川と労働者
    第47章 とある町のブルース 梁貴子『ウォンミドンの人々』――どん底からの人間讃歌
    Ⅶ 今日の韓国文学(民主化以降:1990年代~)
    第48章 文貞姫は江南のからだを書く――フェミニズム詩人が表す光と影
    第49章 申京淑の中のフェミニズム――九老工業団地から始まった韓国現代文学の源流
    第50章 孔枝泳の描く「霧津」――霧に包まれた「韓国の縮図」
    第51章 えぐられた民衆の哀しみ 金薫――儒教と天主教の聖地巡礼
    第52章 チョン・イヒョンの出発点――「三豊百貨店」と江南
    第53章 姜英淑の桂洞――『ライティングクラブ』の舞台になった街
    第54章 キム・ヨンス、記憶を語る――「ニューヨーク製菓店」のあった町、金泉
    第55章 ピョン・ヘヨンの場合――韓国文学から韓国を取ったらどうなる?
    第56章 失郷民の息子パク・ミンギュと咸鏡南道利原鉄山――「北」へ向かう想像力
    第57章 ハン・ガンと光州事件――また5月はめぐりきたりて
    第58章 キム・エランの目に映る鷺梁津――通り過ぎる者と退く者
    第59章 チョン・セランが描く不安な青春――『アンダー、サンダー、テンダー』に見る霧の坡州
    第60章 パク・ソルメの「旅する想像力」――釜山と古里原発に「その後」の世界を見る
     コラム6 型破りな女性像を生み出すフェミニズム文学
     コラム7 坡州出版団地
     コラム8 「文旅」で出会う
     読書案内

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