”研究者失格”のわたしが阪大でいっちゃんおもろい教授になるまで

”研究者失格”のわたしが阪大でいっちゃんおもろい教授になるまで

出版社: 明石書店
著者: 千葉 泉
  • 学者一族に育ちコンプレックスを抱えた著者が、南米留学で自分らしく学問する方法を見出し、自ら歌う学生参加型のユニークな授業を生み出し、「大阪大学で一番面白い教授」に選ばれるに至る経緯を語る。共生社会時代の教育論としても出色の一冊。
  •  はじめに
    第1章 「自分らしさ」とは?――「強い自分」と「弱い自分」
    第2章 「自分らしさ」の萌芽とその喪失
     1 江戸時代から続く学者の家系に生まれて
     2 勉強嫌いの小学生が弾く「自分流鉄腕アトム」
     3 視力に関する困難――永続的な「足かせ」
     4 大学に入って「学者病」が発症する!
     5 分裂していくわたしのこころ
     6 「新しい歌」との出会い
     7 落ちこぼれてありがとう!
     8 ロック・バンドとの決別とC先生の促進的支援
    第3章 南米留学で「自分らしさ」を再発見する
     1 学生が成績を決める「あり得ない」授業
     2 宗教民謡「カント」に魅かれて
     3 ミイラ取りがミイラになる――「弾いて歌って」調査する
     4 共感できなくても傾聴する
     5 「自分らしさ」を活かして研究する
     6 庶民の街「ポブラシオン」
     7 はじめてのポブラシオン訪問
     8 カトリック教会の音楽会「ペーニャ」
     9 ポブラシオンで体験したいろいろな「あり得ない!」
     10 ポブラシオンで再発見した「自分らしさ」
    第4章 就職後の試行錯誤――「自分らしさ」の再喪失と回復
     1 大学教員になることへのためらい
     2 就職して再発した「学者病」
     3 悲しくも感動的な歌――「アンヘリートのお別れ」
     4 「趣味」ではじめたマプーチェ語の勉強
     5 失意の中、マプーチェ語の勉強を再開する
     6 スペイン語の強要と先住民語の衰退
     7 権利回復闘争と先住民語に対する意識の変化
     8 わたしの「常識」=研究者の「非常識」
     9 言語が解き放つこころ
     10 首都サンティアゴのマプーチェ語放送にて
     11 マプーチェ語で話すことの意味
     12 失敗から学んだこと
     13 「勘当」されて学んだこと
    第5章 「自分らしさ活用」の社会的意義――国際協力の場で
     1 「住民参加型開発」の研究に参加する
     2 邪視治療師Oさん
     3 魔術的世界が示すもの
     4 開発プロジェクトへの協力――活動前に抱いていた不安
     5 まずギターを買う
     6 ギターを携えて行った戸別調査
     7 コミュニケーション不足の問題
     8 「自分らしさ活用」の社会的意義
    第6章 教員も学生も「自分らしさ」を活用する教育
     1 「参加型」授業をめぐる葛藤
     2 教員が「自分らしく」あること
     3 中国語専攻学生の乱入(?)事件
     4 学生とともに授業を作る
    第7章 自作曲による「自分らしさ」の発信
     1 自己解放のプロセスと音楽活動の変遷
     2 アルベルト城間さんとの出会い
     3 ついに作曲を再開する!
    第8章 そしてわたしは鬱になった
     1 「メール事件」
     2 こうしてわたしは鬱になった
     3 「それでも桜は咲く」――「苦しみ」でつながるこころ
    第9章 鬱からの回復の過程で――作曲と「語り合い」による癒し
     1 作曲による自己表現と癒し
     2 歌を通じて共有される「苦しみ」
     3 学生との「語り合い」
     4 わたしを救い出した院生の言葉
    第10章 「語り合う」ことで育むきずな――苦しいからこそつながれる
     1 学生たちとの対話から生まれた授業
     2 いろいろな受講生たち
     3 授業の流れ
     4 1回目の「語り合い」で起きることがら
     5 複数回「語り合う」ことの意味
     6 「語り合い」の効果と学び
     7 教室での「語り合い」から「語り合える社会」へ
    第11章 セラピーとしての「自分史」の執筆
     1 新たな暗闇の中で
     2 執筆までの苦悩
     3 執筆開始直後の試行錯誤
     4 苦しみの中で「語り合い」の授業をつづる
     5 「鬱」体験の記述による気づき
     6 「弱いわたし」の復権
     7 「癒しの技法」としての作曲と「語り合い」の記述
     8 「強い自分」も「弱い自分」もまるごと受け容れる
    おわりに――「弱い自分」と生きる
     注
     参考文献
     挿入歌リスト

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